独立系FP解説 メール相談、主婦のiDeCo加入は損って本当ですか?【下町FPブログ】
新着FPブログ講座
メール相談、主婦のiDeCo加入は損って本当ですか?
お金にまつわる様々な有用な知識を独自の視点や切り口で独立系FP&非販売のFPが解説します。
当事務所では何でもFP相談という有償メニュー以外に気軽に簡易的な質問に答える無料メール相談も実施しています。今日はその中の対応からの記事です。
私は、独立系のファイナンシャルプランナーであり、しかも保険や金融商品は斡旋販売していません。
コンサル専門ですが、ライフプラン診断や家計アドバイスをするにあたっては、保険の改善や投資の基本的な相談対応は避けれませんが、個別具体的な話はしません。
そんな中、専業主婦の方よりの「FP無料メール相談」がありました。
メール相談についてはここ
パートを少しされている奥様より、iDeCoは会社員がやるもので、主婦にとっては意味やメリットがないのではという質問でした。
知り合いにメリットないから、やめておいたらと言われたようです。あなたのお金の心配を解消してマネーストレスフリーを支援する下町FPの横谷です。
主婦の皆さんにとっても最近、かなり関心の低いiDeCoですが、実際にはそんなに魅力のないものなのでしょうか? まずは制度内容をおさらいしておきます。
iDeCoの目的は老後資金づくりで、毎月の掛け金は職種等で上限が定められています。専業主婦など第3号被保険者の場合、掛け金の上限は決まっています。
月額2万3000円、年額27万6000円となり、加入年齢は20歳以上60歳未満となります。また、パートなどで働いている主婦でも、年収が130万円未満であれば、第3号被保険者です。
なぜ「では主婦にはメリットがない」という一般的なイメージが定着してしまったのでしょうか?。おそらく、その理由として、iDeCoで言われる「3つのメリット」がそうさせているようです。
iDeCoのメリットは、税金が優遇されるということだと言っても過言ではありません。その中でも掛け金が「全額所得控除」になるというメリットは確かに最大です。
iDeCoの掛け金の全額を所得から差し引くことができるということは、その分所得が減額されるのでので、課税される税金が減り税金が利用前より安くなるわけです。
つまり所得がないと控除が出来ないことがそういった声の原因だったのです。
下町FPメルマガ講座は、FP視点からの簡単なワンポイントで情報を整理したお金のお得情報をお届け発信をしています。今日のテーマは、iDeCo専業主婦の活用です。
FPブログ解説 専業主婦iDeCo、加入のメリットからまず検証
専業主婦のiDeCoは、給与所得がない方が多く、税制上のメリットの一つである積立金所得控除を使うことができないのは間違いありません。
しかし、iDeCoは、国が認めたじぶん年金制度です。
確かに税制優遇のある制度であり、加入者が自ら設計した積立て掛金を拠出して、選んだ商品で運用を行ったり、60歳以降に年金または一時金として受け取ることができる制度が本体です。
運用によって成績が左右されますが、長期投資運用によって年金を成長させ、将来受け取る金額を増やすことを狙っています。
運用中は、拠出時、運用非課税、給付優遇の3段階で様々な税制メリットを受けることができます。
本来のiDecoは、拠出時に掛金は全額所得控除されますが、所得のない専業主婦はこの部分が適用は出来ません。
iDeCoの節税メリットの試算記事はここ
ここからは専業集も受けられるメリットになり、運用期間中の運用益は非課税で再投資されます。そして更に60歳を過ぎて、受け取るときも税制優遇措置も受けられるのです。
3つの節税メリットのうち、2つを受けることが出来、自分年金として「年金」または「退職金」として受けることができる制度、iDeCoを利用することで、将来受け取る金額を増やすことができるのです。
iDeCoのメリットの中では、「掛金が全額所得控除」が最大メリットですが、専業主婦には、このメリットは使えません。では、iDeCoはやらないほうがいいのかと言えば、加入をおすすめします。
少なくても「運用益が非課税」と「受取りの時も大きな節税効果」は、主婦でも大きな効果があります。5000円からスタートできるiDeCoですから、まずはスタートをしてみることも良いかと思います。
最大運用が期待できるダブル年金
実は、ご夫婦でのiDeCoは将来じぶん年金とのダブル年金を受け取ることが出来ます。つまり、拠出時、運用時、給付時と高い税制メリットをご夫婦で受けつつ、資産形成が出来るというメリットがあります。
もちろん、働いていない奥様や年収100万円未満で所得税や住民税を支払っていない方は、拠出時の掛金に対する節税効果はありませんが、運用時や給付時における税制優遇措置を受けることはできます。
そして公的年金等の制度は、一人ひとり掛けられる年金の掛け金の上限が決まっているのが普通であり、ここにご夫婦でじぶん年金を運用することで確実にご夫婦の掛け金も増額でき、一人で利用するよりも税制メリットが受けられます。
そうすることでトータルの掛金額を増額することもでき、将来の世帯の受取年金を増やすこともできます。
つまり、ご主人が厚生年金+iDeCoのダブル年金、奥さんは3号被扶養者としての国民年金+iDeCoという組み合わせによって、将来の年金を厚くすることが出来るのです。
専業主婦には所得控除メリットはありませんが、それ以外のメリットすべて受けられるのです。それだけでもiDeCoのメリットは十分あると言えると思います。
先ほど主婦のiDeCoには「所得控除による節税メリット」は出ないと説明しました。しかし、他にも節税効果のあるメリットがあります。例にて見てみましょう。
掛金の事例イメージと運用
専業主婦のAさん 30歳 (第3号被保険者)の場合・・
・3号被扶養者になりますから、月額23,000円が上限の最大掛金です。
・パート収入は100万円未満では全額控除の節税メリットは出ません。
・60歳まで運用をし続けます。
・受取りは60歳過ぎてから、年金または一時金として受け取れて、税制優遇があります。
すると運用年数は30年となり、
積立金額だけでも27.6万円×30年間=828万円+運用損益 となります。
主婦iDeCoも可能な限り加入を検討
運用開始後の専業主婦iDeCoを再整理しました。
「運用中」iDeCoの利益は非課税です。
iDeCoは毎月積み立てた資金を試算運用して増やしていきます。通常の投資では、運用で得られた利益には20.315%の税金が発生します。しかし、iDeCoでの運用だとその運用益はすべて非課税となるのです。
つまり、100万円の利益が一般口座では79万円になるのがiDeCoではそのまま100万円受け取れるということで、それが再投資されて更に大きくなるのです。これは、主婦にとっても強い味方となるはずです。
そしてもう1つの受け取り時の優遇メリットがあります。10年以上iDeCoで積み立てた資金は、60歳以降に運用資産を分割して受け取る「年金」または、一括の「一時金」を選択します。
本来大きな受取ですから課税も大きくなります。年金として受け取る場合は、まず、イデコの資産を主婦が年金として受け取る場合は、本来雑所得として所得税課税対象になります。
しかし、iDeCoでは「公的年金等控除」が適用されるという税制メリットがあります。
公的年金に対する年金収入には年齢や金額で制限はあるものの、その額を超えないよう受け取り期間を設定することで控除も使用できるのです。
また、一括での受け取り時には、退職金と同様の控除が適用され、運用期間が長ければ長い程、控除額も増える優遇税制を受けることが出来ます。まさしく、主婦でも退職金を受け取れるイメージです。
いかがですか、専業主婦でもiDeCoのメリットはたくさんあることはお分かりになりましたか。将来のダブル年金に向けてご夫婦でiDeCoに取り組まれることを検討されても良いかと思います。
☞今日のポイント
・専業主婦は給付時には退職金等の大きな所得がありませんので、iDeCo退職所得控除が有利。
・所得税控除だけが受けられないものの、ご主人とのダブル年金づくりが可能
・運用利益非課税や受取税制優遇だけでもNISA以上のメリットがあり検討すべき。
★このFPブログ講座を書いてる人★
独立系非販売の数少ないファイナンシャルプランナーとして活動中
40代でも間に合う5,000万円資産形成を提唱しておりメディア記事も多数寄稿
経験ノウハウによる老後資金や資産形成へ向けた家計改善、iDeCoやNISA運用による資産形成、バランスの取れた米国国債債券投資を組み合わせてのアセットプラン作成、ライフプランからのアドバイスやリタイアメント向け相談やコンサルタントを行っている。
東京浅草の下町FPとして、ブログ講座やメルマガが好評で読者・会員も多数。
この講座をベースとして注目のFP監修本『最新版 お金の教科書』も発刊され、資産形成ノウハウを公開している。
保険や金融商品を販売しない顧客中心のコンサルで、様々なサービスを提供中。
まずはFPに聞いてみたいという方はここから (クリックで画面移動します)
より具体的な相談に特化して聞いてみたい方 特におすすめ
個別に顔を見て資料なども含めたWEB面談をしたいという方に最適。(1h)
全国どこからでもリモート可能です。(最も指名が多く人気です(初回のみ最大1.5h))
オールインワンの基本パック(個別WEB面談+ライフプラン+提案書)FPコンサルの王道
FP事務所トータルサポートからご挨拶
数あるファイナンシャルプランナー事務所から当事務所への訪問ありがとうございます。トータルサポート代表の横谷です。
当事務所は、保険も金融商品も販売しない、コンサルタントのみで開業している数少ない『独立系非販売』のFP事務所です。当所の特徴は、国家資格のFP資格とともに実際の資産運用を行っている現役の投資家でもある点です。
人生の3大資金といわれる『教育資金』『住宅資金』『老後資金』などの資産形成やFIREと言われる早期リタイアの為の資産形成などの運用対策や貯蓄対策を中心にして活動しています。
- 資産形成に挑戦したい方
- 資産運用を始めたい、やられている方
- FIREやリタイアメントを考えている方
そんな方には最適なファイナンシャルプランナーです。
自身もFIREと言われる経済的自立とともに資産運用を行っており、現在いろいろな運用先から年間400万円を超える配当・分配金などのインカム収入を得ています、その経験やノウハウもコンサルティングで活用しています。
FP事務所ナビゲーション
詳しくは下の各メニューをクリックしていただき、いろいろご確認ください。
代表プロフィール
FP事務所トータルサポートの特徴
早期リタイアFIRE実現サポートの検証
資産形成・資産運用
お金の健康診断ライフプラン作成
ライフプランシュミレーター比較
FP相談のいろいろな事例
コンサル後の相談者様の声
FPコンサルの料金体系
お問い合わせについて
FP監修本『最新版 お金の教科書』
プライバシーポリシー/個人情報保護
お金の基本の学習が出来ます。
ご連絡、お待ちしています。
閲覧ありがとうございました。最後にFPランクキング投票に参加ください。
関連記事
- いよいよ確定申告準備、失敗!! 国保料の思わぬ増加が!? 株式の確定申告には注意が必要な理由【FP事務所トータルサポートブログ講座】
- 日米株式同時下落、負のサイクルは8月連鎖の危険、手出し無用の静観で耐えるべきなのか【FP事務所トータルサポート】
- 独立系FP解説 軟調J-REITのNAV倍率が1を割り込んでいる、これは買い時だといえるのか【下町FPブログBlog】
- 独立系FP解説 2月13日はニーサの日 2024年新・NISA戦略で資産形成を目指す【下町FPブログBlog】
- 独立系FP解説 2023年のNISA枠(一般120万円)使い切り報告【下町FPブログBlog】
- 独立系FP解説 投資元年、まずは1,000万円金融資産形成をマラソン・駅伝方式で【下町FPブログBlog】
- 独立系FP解説 お待たせ! 11月MY INDEXサイト、世界株式分析を公開【下町FPブログBlog】
- 独立系FP解説コラム ついに日銀が利上げ決断 ?シナリオなき市場の激震【下町FPブログBlog】
- 独立系FP解説 決定!! 新たなNISA制度 資産形成の救世主となるか【下町FPブログBlog】
- 独立系FP解説 中間層の給与が頭打ちの理由と日本の停滞【下町FPブログ】FPコラム