独立系FP解説 会社員の生涯所得税は? 本当の生涯収入はいくらか【下町FPブログ】
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会社員の生涯所得税は? 本当の生涯収入はいくらか
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FPブログ解説 収入があるところに課税があり
税金は世の中にいろいろあります。身近なところでは、給与からの所得税や住民税、あるいは消費税があります。毎月総支給から確実に天引きされる税としては所得税や住民税があります。
それに加えて社会保険料もあります。社会ほ保険料の代表的なものとしては、健康保険料や年金保険料ですね。
社会保険は、その名の通り税金でなく保険料です。この保険を掛けているので、万一の病院での診察が70%引きになったり、高齢の方で9割引きになったりするのです。この保険料は使用が目に見えています。
そして所得税ですが、これは使われ方は目には見えません。会社員の方は前年の課税所得金額がベースとなって所得税が仮に決められています。
所得税は、個人が1年間に稼いだお金にかかり、会社員であれば1年分の給料の合計(いわゆる「年収」)に応じて所得税の額が決まる仕組みです。
それでもその総支給金額にダイレクトで課税されるのではなく、さまざまな控除が行われます。支給総額に応じて会社員も収入に対しての必要経費が認められており、自動的に控除されて所得が決定されるのです。
①1年分の給料の合計(年収)から、給料の額に応じた一定の額を年収の額から差し引きます。(給与所得控除)
②税金を納める人の税負担能力に配慮するため、①で計算した額から、さらに基礎控除、配偶者控除などの一定の額を差し引きます。(所得控除)
③②で計算した額に対して税率(②で計算した額が大きくなればなるほど、税率が上がる仕組みになっています。)を適用して税額を計算します。
所得税の計算方法は
※ 例えば、年収700万円で、妻や夫(配偶者)に収入がなく、2人の子供(17歳・20歳)を養っている場合、所得税がかかる部分は、およそ年間228万円であり、もともとの年収のおよそ3分の1の額となります。
また、この課税所得からの所得税額は、約13.1万円となり、もともとの年収の約2%なのです。(復興特別所得税は加味しない)
あなたのお金の心配を解消してマネー・ストレスフリーを支援する下町FPの横谷です。何らかの収入が発生するところには、税がどこかで必ず関わってきます。
下町FPブログ・メルマガ講座は、FP視点からの簡単なワンポイントで情報を整理したお金のお得情報をお届け発信をしています。
今日のテーマは
収入があるところに所得税がある、一体いくら一生で支払うのか? です。
収入が増えても、なかなか手取りが増えない理由
収入と所得税や社会保険は、密接にリンクしています。年収が上がっても『なんだか手取りが増えないな~』とお考えの方、それはこういった理屈だからなのです。
日本では、所得が増えると、所得税率が高くなる累進課税という仕組みを使っているからです。
課税総所得金額(収入から給与所得控除、所得控除を差し引いた金額。「課税所得」)を最終的に求めて、この課税所得によって5~40%まで6段階で税率が高くなる仕組みになっているからです。
給与で簡単に所得税をイメージ
月々の源泉徴収とは
毎月の給与やボーナスから源泉徴収される所得税及び復興特別所得税の額は、前年の課税所得をベースに「給与所得の源泉徴収税額表」により計算して仮に徴収されます。
年末調整で課税決定される
12月になると1年間の給与総額が決定されますが、当然仮徴収ですから、正式な所得税及び復興特別所得税の額と毎月の給与から徴収された所得税及び復興特別所得税との合計額は、一致しないのです。
1 生命保険料控除や地震保険料控除などは年末に一度に控除することとなっています。
2 子の結婚や就職などにより年の中途で控除対象扶養親族の数が変わる場合があります。
そこで、その年の最後の給与である12月の支払を受けるときに、過不足額の精算が行うのです。これを「年末調整」といいます。
大部分の給与所得者は、年末調整によって1年間の所得税及び復興特別所得税の納税が完了するのです。
令和2年の所得控除は
こうして課税所得が求められ、仮納税の過不足が調整されるのです。
所得税は年間いくらだったでしょう。源泉徴収票の④の部分、源泉徴収額が所得税の金額なのです。 この金額が、年間の給与や所得控除を集計した上で最終的に計算された所得税です。
ついつい「源泉徴収税額」という名称なので、「給与天引きされた所得税の合計額」のように思っている方もいますが、正しくは「年末調整の精算が済んだあとの所得税額」ということです。
会社員は一生でどの位の所得税を支払っているのか
先ほど申しあげた通り、日本は累進課税を採用しており、所得が多い人ほど高い税金が支払える、耐えられるという考えが基本になっています。
ですから、年収が増えると税金も増えて、なかなか手取りが増えないのです。
生涯賃金はいくらか
一体会社員(サラリーマン)はどの位の生涯賃金をもらうのでしょうか?
ユースフル労働統計2017の60歳、学歴別の生涯賃金をまず見てみましょう。
やはり学歴や性別で生涯賃金は異なるのですが、平均像として女性で2億3千万円、男性で2億6千万円位の支払いを就労から得られているようです。
例えば、定年時の年収が年収1,200万円となった方は、生涯賃金が約2億3,000万円位と言われており、生涯の所得税総額は約860万円とされています。
これはさまざまな個人の事情による所得控除を加味しての結果ですが、生涯所得税だけでも大きな所得税が課せられています。
また 年収1220万円を超えると、配偶者控除(最大38万円)も適用されないようになっていますから収入のアップも大変です。
平均的モデルから本当の収入を計算すると
生涯年収を2億6千万円とした場合、42年間の会社勤めでの年収を計算してみましょう。
2億6千万円÷42年間=生涯平均年収は610万円となりました。
もしも2億円だとしたら生涯平均年収は、470万円です。この辺がより一般的な平均年収イメージかもしれません。
仮に、生涯年収を2億円、平均年収470万円で算出してみましょう。配偶者あり、子供2人の場合は、各種課税と控除を受けて、約390万円くらいが実際の手取りになりました。
つまり、生涯の手取り収入は、差し引くと2億円ではなく、
390万円×42年=1億6,300万円となるのです。
老後の資産取り崩し生活に向けて、資産運用をこの中から捻出し、将来への蓄えを作る必要があります。公的年金だけでは生活できないのが、日本の仕組みだからです。
加入している年金によっても受取額の格差は生まれますが年金だけでは厳しいのが実情です。
会社も誰もそのための対応策を計画はしてくれないでしょう。その解決に向けて、ご自身で老後の必要額を算出して、この限られた収入から貯蓄をするなり、資産運用をすることが求められます。
税金が高い、健康保険料こんなに使っていないよ、住民税や所得税で手取りが増えないと嘆く前に、有限である給与・賞与と時間を有効に活用して対策を打ってはいかがでしょうか。
収入や資産を増やすことで、より豊かな老後生活が実現できるのです。自己投資や副業で年収を増やす努力もしながら、貯蓄や投資も上手に活用して、将来に備えることが大切でしょう。
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