独立系FP解説 ペイオフ対策の勘違いでリスク増加になっていませんか?【下町FPブログ】
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ペイオフ対策の勘違いでリスク増加になっていませんか?
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銀行って破たんすることがあるのをご存じでしたか?
実は僕も口座がありました銀行の破たんを今から10年ちょっと前に経験したことがあります。2010年に日本振興銀行が破たんしたのです。
この銀行は当時どこよりも高い金利の定期預金を提供していました。僕は、既に満期を迎えて預金はありませんでしたが金利が高く人気があり、確か当時の定期預金の金利が1.5%前後だったのを記憶しています。
万一銀行が破たんしても、1000万円までは国で保護される。それを超える預金は保護されない可能性がどこの銀行でもあるのをご存じですか。この制度は国の制度であり、ペイオフと呼ばれています。
銀行に預金をされている方は多いと思いますが、1000万円を超える方も結構いらっしゃいます。
現金主義の方でしたら、資産運用もしないで手堅く定期預金に預けている方だとか、会社の退縮金をそのまま預金で動かしていない方もいらっしゃるでしょう。
あるいは事業をされており、事業資金を個人の口座に相当預けている方、マンションの管理組合で修繕積立金を預けているケースなどと、1千万円超えのケースはいろいろと考えられると思います。
もし、その預けていた金融機関が破たんしてしまう、破たんの影響を避けたいのでしたら、銀行1行当たり1000万円までの預金までに留めておく事が安心な方法なのです。
なぜならこのペイオフは1金融機関あたり1000万円での話だからです。金融機関数で決めるとは何だかおかしい話なのですが、法律自体の建てつけがそうなっているのです。
金融機関が破綻(はたん)した場合、あるいは破綻の兆候がある場合などに、預金の取付けなどの金融危機が発生しているでしょう。
預金者は銀行に殺到、ATMはすっからかんに・・これらを未然に防ぎ、預金者を保護することを目的にした総合的な法律として『預金保険法』があるのです。
この法律の中でも2002年3月までは、政府の特別措置で預金の全額が保護されていたそうです。したがってペイオフが実施されたことはありませんでした。
そして2002年4月1日からは、普通預金や当座預金などの決済性預金の元本と利息については、全額保護されるもののその他の預金等は保護されない建てつけとなったのでした。
実はこの法律成立の背景には、バブル崩壊による相次ぐ金融機関の破たんがあったのです。
そして2005年4月1日以降は現在の形となり、ペイオフ全面解禁と言われる時代が到来しました。これ以降は、この制度により保護される範囲は、今の1金融機関1000万円とその利息までのルールとなったのです。
そこで、ペイオフの対象にならないケースについて、いくつかの『あるある事例』を考えてみたいと思います。
同一の預金者が破綻した金融機関に複数口座を持っている場合には、名寄せという統合措置をしたうえで預金を合算して、預金総額を確定します。
ですから支店を変えて預金すれば大丈夫というのは、都市伝説です。
また保護される金額は元本1,000万円ではなく、その元本に係る利息を超える部分までが保護の対象となります。これもよくある勘違いですから、厳密には1000万円ではありません。
それを上回る預金の場合は、どうなるのでしょうか。
これは、対象外の預金として、その金融機関の財産状態に応じて返済が預金者に支払われるため、一部カットされることもあるのです。
では対策として、家族名義で分散預金すればよいのかと言えば、実はそうでもないのです。
そのお金が贈与でもなく、単なる「名義の借用」と判断され、認定されれば預金保険制度による保護の対象外になってしまうでしょう。
では対策として多くの銀行に口座を開設すればよいとかと言えば、ある意味正解です。ただし、銀行口座をたくさん持つという事は、その管理自体が大変にもなります。
1000万円を超えるたびに口座を作らくてはならなくなり、生活で使わない銀行口座がどんどん増えることにもなります。
退縮金2000万円+預金1800万円だとすれば、合計預金額が3800万円となり、最低4行に口座開設が必要になるのです。
手間も管理も大変ですよね。しかも、どこの銀行にどんな目的で口座を作ったか、残高や個別のパスワードもしっかり把握しなければなりません。
最近は預金通帳を発行しないネット銀行も増え、発行しても有償となる大手の銀行も多くなってきています。
したがって管理自体が昔より大変であり、しかも万一の時の対応はもっと大変になるのです。
また口座を開設預金をしても、最悪の場合として入出金がまったくなく、10年が経過してしまうと休眠預金扱いとなるリスクもあります。
この休眠預金の制度自体は新しく、2019年1月から始まったものです。休眠預金の扱いになると、預金を引き出せなくなり、口座凍結の状態と同じことになってしまいます。
もちろんその事実を発見して、休眠預金からアクティブにする手続きさえすれば、現在はお金を引き出せます。
でも今後はどう変わるかわかりません。もしかしたら将来は銀行の収益になってしまうかもしれません。
しかも、口座そのものの開設や存在を忘れてしまったら、預金を丸ごとなくすのと同じことになるので、ここにも注意も必要です。
あなたが突然の入院で意思疎通もできないのなら誰も知らない銀行口座はどうなってしまうのでしょうか。
あなたのお金の心配を解消してマネーストレスフリーを支援する下町FPの横谷です。
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今日FPブログのテーマは
ペイオフ対策、やっていますか?です。
FPブログ解説 もう一度、ペイオフを整理してみる
このペイオフという制度は、簡単に言うと「銀行が経営破綻したとき、預金者のお金を1000万円までなら確実に保証してくれる制度」とも言えます。
もっと簡単に言えば、1000万円までなら、お金を預けていた銀行が万一倒産しても、全額払い戻しがされるということです。
この制度がペイオフ制度であり、さらに簡単にいえばこの制度は実は「保険」の仕組みを利用した預金者の資産保護制度のことだったのです。
でも預金者の私たちは保険料金を支払っている訳ではありません。誰も別途、保険に申し込んだり、保険料を支払ったりすることはないのです。
これ自体は、金融機関が加入する、加入しなくてはならない保険制度なのでした。
この保険制度を維持・運用する機関があります。その組織は、「預金保険機構」という組織です。この機構は、ペイオフ制度による、国内の預金制度自体の安定性を守る重要な制度として機能しているのです。
もしこの制度がなかったらどこにお金を預けたら安心なのか、皆さん悩むと思います。
では、本当に1000万円保証してくれるのか?
国内初のペイオフが実は2010年に発生しました。先程の銀行の破たんでした。
経営再建中の日本振興銀行が債務超過に陥り、金融庁に申請をしたのです。元々数年前からこの銀行は、危
ないと噂されていたり、当時の定期預金金利としては国内最高レベルの預金金利を出したりしていました。
投資と同じでリスクの高いものは、金利も同様に高かったのですが、ペイオフもあり高金利定期に預金は集まっていました。申請を受けて、金融庁は経営破たんを認定し、業務停止命令を出しました。
そしてペイオフを初めて発動すると表明したのです。1預金者あたり「元本1000万円とその利息」まで預金の払い戻しに応じる一方、これを超える部分は支払額が一部カットされた事案があったのです。
当時の資料では、ペイオフの発動によって、預金の支払いが一部カットされた可能性がある預金者が、全体の約3%の3,560人、元本1,000万円と利子分を超える金額も100億円程度あり、返却は一定比率までてカットになったようです。
ペイオフ以上の預金者には、元本毀損の痛みが発生したのでした。
この日本振興銀行の債務超過額は1804億円に上ると言われており、破たんした銀行がどう1000万円も払い戻したのでしょうか。
それが、この預金保険機構の「預金保険制度」という制度であり、「いざというときのための銀行の保険」に強制加入しているので可能になったのでした。
1000万円を超えた分はどうなったのでしょう。経営破綻した銀行の財務状況に応じて払い戻され、保険機構の対象外となります。
したがって、銀行の財務状況が厳しい、預金額がかなり大きい場合には、預金全額が戻ってこない場合があるという事です。
このケースの場合は、日本振興銀行の再生計画案が2011年7月に提出されて、保護されなかった預金の弁済率は27%とされたようです。
その後、弁済率は39%に引き上げられたものの預金者には全額弁済されなかったと言われています。
ペイオフは対策は本当に必要なのか?
以上がペイオフの制度内容と事例でした。次にペイオフ対策が必要ないくつかのケースについて考えてみたいと思います。
金融機関当たり1千万円以上は預金分散
預金が1000万円以上ある方、確実に預金保護をしたいのでしたら、元本ベースで1金融機関あたり1,000万円にする必要があります。
もし、この上限金額を超えるお金を銀行に預けていて不安でしたら、ペイオフ対策を考慮しておきたいところです。
王道のペイオフ対策としては、利用する金融機関を分けて資金を分散させる方法が一般的だと思います。
預けている金融機関が合併、対応は
今、地方銀行の合併などが加速しています。経営難もあり、体力保持のために合併や統合が発生しているのです。
いくつかの銀行に資金を分散させたつもりが、合併によって1,000万円を超えてしまう可能性もあるのです。
そんな金融機関の合併に巻き込まれた場合には、期間限定の救済措置があるのです。それは合併1年間に限っては、金融機関の数だけペイオフの上限が加算されるというものです。
例えば2行の統合合併でしたら、1,000万円×2=2,000万円とその利息までが保護の上限になります。
ただし、限定期間のみであり、この措置は1年間です。つまり、合併に伴う金額の上限引上げは、あくまで特例措置という事です。その期間内に分散対策を行いましょう。
1千万円以内預金でも、簡単でない事情
万一、ペイオフがあなたの銀行で発動してしまった場合、1000万円とその利息は保証されるので口座のお金は心配いりません。
ですが、通常通りの銀行業務が続くと思ったらそうはいかないケースも出てくるのです。
それは、ペイオフが発動された直後の銀行では、銀行の財務整理等が行われるため、一旦口座が凍結されてしまい、預金の出入れ自体ができなくなるので注意が必要です。
対策としては最低2行に資金を預け分けしておけば、別の銀行からもお金を引き出すことができます。いくらキャッシュレス社会と言えども、必要なお金がに下ろせないのは不便です。
ですから、預金を分散させておく方法は預けている金額比例せず、おすすめな方法だと言えます。
その時、くれぐれも同じ銀行の別支店で作らないようにしましょう。同一行では、預金が名寄せ合算されてしまい1行とカウントされますので他の銀行に口座を作るのを間違えないようにすれば大丈夫です。
セカンドバンク銀行が近くにない時はどうしたら良いのでしょう。その場合はネット銀行を利用しましょう。
オンラインで簡単に、自宅に居ながら簡単に口座を開設することができます。
預金全額保護の別の『抜け道?』もあった
今までは通常の『普通預金口座』でのお話をしました。この口座とは別に利息は付かないものの全額保護される口座があるのです。
その方法は、『決済用預金口座』を作り、そこに資金を入れておくという方法があるのです。
「ペイオフ対策の抜け道」という側面もあるのですが、目的は口座を分散させずにシンプルにペイオフ制度で対応する正攻法なのです。とりあえず緊急避難として押さえておくと良いと思います。
この『決済用和金口座』ですが、今の世の中は超低金利ですから、利息が付かなくても良いという方、預け分け自体が面倒と考えている方には決済用預金に変更するのがおすすめです。
決済用預金は、無利息ですがいつでも引き出せるというメリットがあり、金融機関が万一破たんした場合でも全額が保護される預金となるのです。
次にゆうちょ銀行を活用する方法です。実はゆうちょ銀行は、貯金と定期で1300万円×2がペイオフの上限となるのです。
しかもその金額をオーパーしても金利(利息)の付かない「振替口座」という勘定で管理されるのです。
この『振替口座』には金利は付きませんが、ゆうちょ銀行に1300万円の上限金額を超えて、2000万円、5000万円、たとえ1億円でも預け入れたとしても、リスクはなく問題もないという事になるのです。
たとえば、上限額1300万円で4000万円をゆうちょ銀行に預けている場合には、4000万円の貯金で(内2700万円は振替口座管理となる)という扱いになるのでペイオフに対しても安心です。
ペイオフが発動されると、1000万円とその利息までは保護、それ以上のお金は保証対象外となります。
預金額が大きくなったら、預け分けや決済用預金などを利用して、確実にお金を守れるように備えておくのがおすすめです。
☞今日のポイント
預金保険制度自体は、少額の預金者を保護して金融システムの安定を図ることが大きな目的です。金額からすれば個人でもリタイア資金としてお大きな預金を金融機関に預けている方も多いのが事実です、
大口預金者だから大丈夫ということはありません。寄らば大樹の影の大手銀行は安心かもしれませんが、それでも万一の時は一時的に出金が出来ないケースも発生するので、注意が必要です。
投資も同様ですが、「資産を守る」という観点からもリスク対応をしておく事は、損のない話だと思います。
・ペイオフの仕組みについては全ての方が理解しておくことが必要です。
・お金の置き方や預けられる金融機関については、経営状況も含めて関心を持ちましょう。
・ゆうちょ銀行の活用や決済用預金口座の活用など、低利息の中での安全対策を考えましょう。
・投資口座だけでなく、預金口座についてもリスク管理は必要であり、ペイオフ対策を怠らないように。
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★このFPブログ講座を書いてる人★
独立系非販売の数少ないファイナンシャルプランナーとして活動中
40代でも間に合う5,000万円資産形成を提唱しておりメディア記事も多数寄稿
経験ノウハウによる老後資金や資産形成へ向けた家計改善、iDeCoやNISA運用による資産形成、バランスの取れた米国国債債券投資を組み合わせてのアセットプラン作成、ライフプランからのアドバイスやリタイアメント向け相談やコンサルタントを行っている。
東京浅草の下町FPとして、ブログ講座やメルマガが好評で読者・会員も多数。
この講座をベースとして注目のFP監修本『最新版 お金の教科書』も発刊され、資産形成ノウハウを公開している。
保険や金融商品を販売しない顧客中心のコンサルで、様々なサービスを提供中。
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当事務所は、保険も金融商品も販売しない、コンサルタントのみで開業している数少ない『独立系非販売』のFP事務所です。当所の特徴は、国家資格のFP資格とともに実際の資産運用を行っている現役の投資家でもある点です。
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