新NISA戦略1 金融資産5,000万円は準富裕層とされているが一体どれだけいるのか【独立系FPブログ講座】
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金融資産5,000万円は準富裕層とされているが一体どれだけいるのか
40代からでも金融資産5,000万円をつくることができます。少子高齢化社会でも安心できる老後資金確保や人生の目的資金づくりもステップを踏むことで実現できます。
2024年に少額投資非課税制度NISAが変わります。一般NISAとつみたてNISAが統合された『新統合NISA』に生まれ変わり、これは追い風です。
資産形成は早く始めたほうが圧倒的に有利ですから、時間を味方にする大きなチャンスだといえます。お金にまつわる様々な有用な知識を独自の視点や切り口で独立系FP&非販売のFPがシリーズで解説します。
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FPブログ解説 目指せ金融資産5,000万円、そもそも金融資産って何か?
年間400万円のインカムゲインを受け取る独立系非販売のFPが、さまざまな運用の常識とされている投資方法やリスクを斬り、本当に安定的なFIRE=経済的自立を確立させるFPブログ講座シリーズが好評でした。
新シリーズは、『40代からの金融資産形成5,000万円 新統合NISA』シリーズです。
関連『経済的自由の実現!! 年間400万円超えインカムゲイン獲得』2021年運用を総括
前回はスタートゼロとして本ブログ講座の序章と共に生涯賃金について、あるいはお金の持つ意味と限界、その使い方次第で人生がさまざまに変化することをお伝えしました。
前回のブログ講座
あなたのお金の心配を解消してマネーストレスフリーを支援する下町FPの横谷です。今回は当FP事務所のホームページのテーマにもなっている金融資産5,000万円の達成について考えてみたいと思います。
ここで言われている金融資産について整理しましょう。実態はないけれど資産的な価値があるものの全般を、金融資産と呼ばれています。それはたとえば、以下のようなものになる。
- 現金
- 銀行などの預貯金
- 株券
- 債券(社債、地方債、国債)
- 投資信託
- 生命保険(※掛け捨てのものは除く)
- 商品券や小切手
またこれとは違うものの現物資産と言う対(ツイ)となる実態がある資産もあります。
- 貴金属 (金・プラチナ・ダイヤモンドなど)
- コレクション (絵画・骨董品・美術品など)
- 不動産 (土地・建物)
それぞれ資産ですが、すぐに現金化が出来るもので実体がないものが金融資産だとお考え下さい。下町FPブログ・メルマガ講座は、FP視点からの簡単なワンポイントで情報を整理し、お金のお得情報をお届け発信をしています。
金融資産が5,000万円超える意味について考えてみる
実は金融資産5,000万円とは、野村総合研究所が発表している国内の総世帯における資産ゾーンでみると、資産5,000万円以上は準富裕層以上に属するされています。
一般に資産があるとされる最低ラインは金融資産1,000万円を指しています。ここがベースとなり金融資産が拡大してゆくというスタートラインになると考えられるからです。
例えばSMBC信託銀行プレスティア(旧シティバンク銀行)の預金者優遇にプレスティアゴールドというクラスがあります。これは『お預け入れ資産1千万円以上の方の特別なサービス』を招待で提供しています。
ホームページでは、『投資マインドのある洗練されたお客様の資産運用を、豊富な商品・サービス、価値ある優遇手数料や金利でサポート。世界最前線の資産運用の専門家がお客様のニーズに的確にお応えします。』とあります。
みずほ銀行には、みずほプレミアムクラブというサービスがあり、1千万円以上の預け入れ資産(預金以外に投資信託などの金融商品も可)、および50万円以上の預金残高があることが入会の条件となり、登録は招待制です。
みずほ銀行店舗には、みずほプレミアムバンクの会員専用のブースがあり、木目調の区切られた個室があるようで、落ち着いて相談ができるよう飲み物なども用意されているようです。
他の金融機関も1千万円からという特別なラインを引いているケースが多いようです。
預金残高が1,000万円を超えると、銀行によっては金利優遇や各種手数料無料などの優遇サービスを用意している場合が結構あります。
それは銀行の定期預金だけではもったいない、投資信託や資産運用のアプローチがしやすい金融資産であり、将来的に得意顧客になる可能性が高い金融資産層だからでしょう。
先程ふれました野村総合研究所の富裕層の金融資産分類を改めてご紹介したいと思います。
野村総研では、金融資産5億円以上を最上級の超富裕層、1億円~5億円未満を富裕層に、5,000万円~1億円未満を準富裕層に分類しています。
この階層は野村総合研究所が実施する「富裕層アンケート調査」によって、同社が定義づけているものですが非常に有名な分類となっています。
一方、それ以下で3,000万円~5,000万円未満をアッパーマス層と分類しており、イメージとしては普通の人よりはお金持ちではあるものの富裕層への入口に位置する資産層だと考えられます。
富裕層の最下位に分類されるのがマス層です。金融資産3,000万円未満の金融層であり、先ほどの銀行プレミアサービスは1,000万円以上からの提供でしたからこのゾーンの一部です。
ここで言う金融資産は、純金融資産のことで預貯金や株式、債券や生命保険などの金融資産から、ローンなどの負債を差し引いたものを指します。
例えば、総資産が2億円あったとして、負債が1億円以上あれば差引き1億円未満となりますから、富裕層には区分されないという考え方です。
そう考えると金融資産5,000万円は、準富裕層の入り口的な存在となり、経済的自立FIREで言えば、運用資産単独では配当では生活費として不足する、運用取崩しだけでは足りないといった位置づけの層になるでしょう。
ですから金融資産5,000万円到達とは、多くの人にとっては将来資産拡大の可能性がある資産額になると言えるのです。
金融資産5,000万円はどのくらいの人が持っているのか
厚労省の調査『国民生活基礎調査』では全世帯別にみる金融資産の平均値をまとめていますが、単身者、夫婦のみ、夫婦と子などの世帯別の金融資産平均値では単身者を除くとほぼ1千万円と言う平均値を持っているとされています。
上記の表は全世帯を対象としており、世帯の形態別の金融資産高の統計です。全世帯の平均からみると現状は平均値が全体を引っ張っており、実勢値は中央値が最大母数ですからこの辺りが標準家庭の資産高といえそうです。
しかし、平均値の高さを考えると一部の人の資産がかなり拡大していると推察できます。年齢はここでは見えませんが、確実に中央値の何倍もの資産を持つ層があると考えられるのです。
次に野村総研の2005年からの富裕層調査の一覧表を見てみましょう。
2021年の調査によれば、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満を「富裕層」と定義し139万世帯と、5億円以上の「超富裕層」を富裕層と定義し9.0万世帯とした。ふたつの合計は148.5万世帯は、実は過去最大になっています。
本ブログ講座のテーマになる5,000万円金融資産形成は、準富裕層に該当しますが、2021年では325万世帯と微減するものの最大コアな層を形成しているのです。
日本の全世帯数は、5,430万世帯とされていますから、超富裕層・富裕層・準富裕層を合計すると474万世帯がそれに該当することになります。これは全世帯の8.7%という限られた世帯だけになってしまうのです。
全世帯の中で金融資産5,000万円以上の世帯はたったの8.7%という結果でした。
出典 野村総合研究所
また、この過去10年近くにわたって富裕層・超富裕層の世帯数と純金融資産保有額が増加している要因としては、株式などの資産価格の上昇により、富裕層・超富裕層の保有資産額が増大したことが挙げられるようです。
これは資産の2極化だともいえます。
またそれに加えて、金融資産を資産運用している一部の準富裕層の資産形成が進み富裕層になっている。あるいは富裕層の一部が超富裕層に移行していると野村総研では分析しています。
金融資産5,000万円を目指すという事は、資産保有8.7%の層に入らなくてはならないということを覚えておいてください。
肝心の30代、40代の貯蓄金融資産はどのくらいなのか
金融資産5,000万円達成の困難さについてはご理解いただけたと思います。
しかし、この全世帯のうち8.7%の5,000万円以上の金融資産保有率は全世帯を対象としていましたから、40代、あるいはその予備軍になる30代の人の金融資産はどうなっているのでしょうか。
これらの年代の人が現在どう資産を育てているのかについて金融広報中央委員会が毎年調査をしている『家計の金融行動に関する世論調査』、年齢・年収別を見てみたいと思います。
まずは30代の人の所得と貯蓄ですが、年収750万円以上の人は既に資産1,000万円を平均値で超しているのを見ることが出来ると思います。
貯蓄は収入との相関関係もありますから、収入がない人は貯蓄は少なくなり、年収が500万円以上の人の貯蓄は確実に増えている傾向が読み取れます。
ちなみに年収500万円の人は、月額40万円ちょっとの手取りに相当しますが、その中から貯蓄や運用をした結果が、平均資産額851万円となっています。
30歳代といっても30歳から39歳と年齢の幅は広くなりますが、30代の人はまずは自身の年収と貯蓄について比較してみると良いでしょう。
中央値とはすべての調査対象を並べてドットにした真ん中のポイントであり、平均値は全ての資産を足したものを調査人数で割ったものです。
したがって平均値は、資産を多く持っている人があると平均値を引っ張り上げるという特徴があります。つまりこの貯蓄の平均値は、かなりの資産貯蓄を持った層が30代でも既に発生しているのです。
ではこの30代が40代になると資産はどう変化するのでしょうか。次に40代の所得と金融資産をみてみましょう。
一方40代になると貯蓄の景色は一変します。先ほどの手取り40万円前後の層の平均貯蓄資産も1千万円を超えてきました。
この上の収入の層は2千万円台に到達しているのを読み取ることが出来ます。一方、年収300万円-500万円未満でも少しづつ貯蓄が進行しているのが分かると思います。
このペースで金融資産を拡大できると年収500万円からの貯蓄継続+60歳での退職金などの一時金で金融資産5,000万円到達が見えてくる人が多く発生するのではないでしょうか。
最後に現在のNISAの統計で言えば、20代~30代のNISAではつみたてNISAの利用が圧倒的であり、特に30代の利用数は240万口座と最大NISAゾーンになっているのをご存じでしょうか?
20代からのNISAスタート、30代からの拡大が資産形成に貢献している人も多いともいえるでしょう。ところであなたはNISA既に始めていますか? 金融資産5,000万円到達の可能性はデータだけみると大変そうです。
NISAも含めて危険な誤った資産運用の情報がネットなどに氾濫しています。資産運用は成功者の模倣や人気商品を購入しただけでは成功しにくいのが資産運用の世界です。そんな時はファイナンシャルプランナーに相談ください。急がば回れ、あなただけのお金のホームドクターが最適なアドバイスと分析で「お金のモヤモヤ」を解消します。
次回は、資産形成5,000万円は誰にでもできるのかについて考えてみたいと思います。
★このFPブログ講座を書いてる人★
独立系非販売の数少ないファイナンシャルプランナーとして活動中
40代でも間に合う5,000万円資産形成を提唱しておりメディア記事も多数寄稿
経験ノウハウによる老後資金や資産形成へ向けた家計改善、iDeCoやNISA運用による資産形成、バランスの取れた米国国債債券投資を組み合わせてのアセットプラン作成、ライフプランからのアドバイスやリタイアメント向け相談やコンサルタントを行っている。
東京浅草の下町FPとして、ブログ講座やメルマガが好評で読者・会員も多数。
この講座をベースとして注目のFP監修本『最新版 お金の教科書』も発刊され、資産形成ノウハウを公開している。
保険や金融商品を販売しない顧客中心のコンサルで、様々なサービスを提供中。
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当事務所は、保険も金融商品も販売しない、コンサルタントのみで開業している数少ない『独立系非販売』のFP事務所です。当所の特徴は、国家資格のFP資格とともに実際の資産運用を行っている現役の投資家でもある点です。
人生の3大資金といわれる『教育資金』『住宅資金』『老後資金』などの資産形成やFIREと言われる早期リタイアの為の資産形成などの運用対策や貯蓄対策を中心にして活動しています。
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