独立系FP解説 コロナ禍も幸福度数は下がらず『幸福度』の正体とは【下町FPブログ】
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コロナ禍も幸福度数は下がらず『幸福度』の正体とは
このコロナ禍でも幸福度数が下がらなかったという国連の調査報告が出ています。幸福度の正体とは、お金との関係は一体何なのでしょうか。
お金にまつわる様々な有用な知識を独自の視点や切り口で独立系FP&非販売のFPが解説します。
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FPブログ解説 幸福度とは何かを整理してみると
あなたは今、幸せですか?
幸せの定義はいろいろありますが、世界比較として国連の調査があります。『世界幸福度調査』として調査3年間の実績平均を世界ランキング化している有名な調査であり、それを見てみましょう。
この下の表が『世界幸福度調査』の結果です。この調査は世界中で実施されており、一定の条件の下で定量的に算出された数値からの判断がされています。いろいろな調査がある中で、特にニュースなどで有名なのは、『国連 世界幸福度ランキング』なのです。
幸福度ランキング2018-2020
幸福度ランキングで日本の位置づけは56位
この世界幸福度ランキングでは、一人当たりの国内総生産、社会的な支援、健康寿命、社会的自由、寛容さ、汚職の無さ、人生評価、主観満足度等を定量的に分析して世界順位を決めているものです。
ちなみに幸福度ランクでの日本の位置づけは、この表を見ればわかりますが、世界56位でした。昨年は62位でしたので、相対的にはランクが上がっていたのです。特に興味深いのは、このコロナ禍での幸福度の全体の変化でした。
1位は4年連続でフィンランドであり、フィンランドは新型コロナウイルス感染者数で見ても欧州最少レベルの国でした。これも関係しているのでしょうか。
国連調査レポートはこちら
今日は、この幸福度という考え方を軸にして、コロナ禍での日本の幸福度はどうなっているのか、FPとしてお金と幸福度の相関関係についても考えていきたいと思います。
あなたのお金の心配を解消してマネーストレスフリーを支援する下町FPの横谷です。この下町FPブログ講座は、通常のセミナー講座とは異なり、個人投資家としての実績や毎日のニュースや見聞き経験したもので、皆さんと共有したいものをお届けしています。
今日のテーマは
『コロナ禍での幸福度とお金の関係』です。
コロナ禍も幸福度が落ちない お金と幸福度の関係
この報告書では新型コロナ感染症のパンデミック下で、多くの人が日常の制約を受けており、全体的に幸福度が下がるのではないかという仮説が成り立つ中、調査結果では幸福度の平均値が低下していなかったという報告がされたのでした。またこの報告書では、それを前提として「幸福度格差」も拡大しているという事もされたのでした。
パンデミックでも『幸福度アップ』した理由
幸福度格差も拡大している実態
なぜこのコロナ禍のさなかに、このような心の変化が起こっているのでしょうか?
アフターコロナや市場の暴落で読むべきFPブログ講座記事
アフターコロナへ、今は異常な株価バブルなのか【下町FPブログ】日々雑感
世界の人々は、このコロナパンデミックの中で多くの不安を抱えました。その程度は人により違いますが、大なり小なりあったと推察できます。今回の調査の中で「人命と生活を守るのに役立つ、他者との相互の信頼関係に関する複数の指標で非常に高い順位を示した」と、このレポートには指摘がされているのです。
つまり、仮説としてコロナ禍で幸福度ダウンだろうと考えられた中で、多くの方がウイルスによる幸福度のダウンや悪影響よりも、コロナ禍で得た「他者との連帯感や仲間意識、つながり、絆」に対して、より幸福度を感じたという事なのです。
この信頼感や連帯感、繋がり、絆のほうが大きなプラスの影響を与えたことといえるのでした。
この幸福度が高まったとする考え方の原因には、リモートワークが考えられます。
かなりの人が挙げたその要因としては、テレワークによる家族との時間が増えたとか、人とのつながりを実感したというものです。
事実お子さんの将来なりたい職業に会社員がトップランクに入るなど、普段見れなかった親の働く姿に子どもも影響を受けたようです。
一方、幸福度が下がったという意見も当然ありました。その人たちの意見としては、「孤独感を感じる」など、人とのつながりを実感できなくなったことを挙げています。
確かに大学に入り授業もリモート、同じクラスやゼミの学生にも会ったことがない、新人一年生の会社員も同様だったでしょう。
幸福度とお金の関係
以前のFPブログ講座で『お金で解決出来るものと出来ないもの』という講座を投稿しました。
これは、社会科学研究者マイケル・ノートンの理論であり、人は「モノ」にお金を使うより「体験」に使う方が、幸福度を高く感じるという結論を取り上げました。
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モノを買うという行為は、瞬間的にストレス解消に役立つのですが、買った瞬間は幸福度が高くても、その後すぐに幸福感を感じなくなるのです。
それは、目的自体が保有という行為であり、達成してしまったからでしょう。
つまり買ってしまうと既成事実になってしまい、急に関心度や興味が落ちてしまうのです。ここに満足度と幸福度の違いがあるのかもしれません。
モノは次から次へと魅力的なアプローチがされます。
すると持っているという当たり前は慣れとなり、やがて新商品やより魅力的なモノが発売されるとまたストレスが発生するのです。これが購買所有の満足の正体なのです。
一方旅行などのイベントでは、いろいろな計画をするので旅行の調査段階から幸福度は上昇し出します。そして実際旅行をする事で幸福度は頂点を迎えます。
しかし旅行には、その後も楽しい経験や思い出が残るのです。その思い出は、いつまでも記憶に残って幸福感自体が長続きするのです。
幸福度としては、別の高める方法もあります。確かにお金を使う行為としてモノを買う消費がありますが、消費として寄付をして『誰かを幸福にしている』という行為は、時が経ってもその行為の価値は色あせず幸福度を増すと言われているのです。
これが『消費の満足度』と『お金を使った幸福度』の違いなのです。
幸福感とはそういうもので、モノではなく体験に使う、消費でなくひとのために使うお金を増やすことで幸福度を高めることが出来ます。このポイントを理解しておくと、幸福度を高めることができるでしょう。
もう一度、お金と幸福度の相関関係を考える
幸福度を上げる方法は見えてきました。満足度と幸福度の関係もなんとなく分かってきたのではないでしょうか。
とは言うものの、お金がないと幸せになれないのも事実なのです。「他者との連帯感や仲間意識、つながり、絆」だけでは幸福度は上がりにくいのです。
幸福になるために収入をもっと増やしたい、儲けたい、資産を拡大したいと思う方も多いと思います。お金と幸福度に相関関係を感じているからでしょう。
収入が増えればもっと幸せになり、もっとお金持ちになれると多くの人がこのように考えたことがあるのではないでしょうか。
この収入を増やしたい、そのためにもっと出世したい、自営独立したい、早期リタイアFIREしたいと考えるのはとても自然なことです。
しかし、収入が増えるほど幸福度も増える、というわけではないのも事実なのです。
満足度・生活の質に関する調査を読み解く
令和元年に内閣府で発表された「満足度・生活の質に関する調査」では、各世帯を年収別に整理して、幸福度・満足度の変化を比べていました。
内閣府報告書
「満足度・生活の質に関する調査」に関する第1次報告(内閣府)
世帯年収と満足ポイント
- 「100万円未満」5.01点
- 「100万円以上300万円未満」5.20点
- 「300万円以上500万円未満」5.68点
- 「500万円以上700万円未満」5.91点 中心ゾーン
- 「700万円以上1000万円未満」6.24点
- 「1000万円以上2000万円未満」6.52点
- 「2000万円以上3000万円未満」6.84点 ピーク
- 「3000万円以上5000万円未満」6.60点
- 「5000万円以上1億円未満」6.50 点
- 「1億円以上」6.03点
これを整理したものが、下のグラフになります。
その調査によれば、年収500万円以上700万円未満の人が中心ゾーンであり、その満足・幸福度は平均5.91でした。
そこから世帯年収が増加するごとに幸福度は上がってきており、その差が開いていきます。しかし、その上昇も年収の増加に比例しないゾーンが出来てくるのでした。
収入が増えても幸福度が上がらなくなる事実
年収2,000万円以上3,000万円未満の幸福度は6.84とピークを迎えており、それ以上3000万円~最大1億円の年収の方でも幸福度は上がらなかったのでした。むしろ幸福度は下がってしまうのでした。
これは、幸福度と収入は一定の収入までは比例連動するものの、どこかで幸福度は頭打ちになるということが実証された結果だといえます。
幸福度と収入の関係
では、なぜ収入があるレベルを超えると幸福度が頭打ちになるのでしょうか。
おそらく、私たちの生活の中ではお金によって所有欲のような「満足度」はある程度満たされるものの、それは本当の「幸福度」ではないということなのです。
使えるお金が増え、モノが自由に買えるようになる。住宅・車・宝石・通販・飲食・・・・と、消費をする事で満たされるものがあります。
これは似ているものの「幸福度」とは違い、物的欲求を満たすものなのです。多くの方はそれでも満足度として上がります。
一方、幸福度は、幅広い構成要素によって成り立っています。
・家計
・就業
・健康
・自由時間
・生きがい
・家族
・友人
・職場
・地域
・世帯収入
確かに収入も構成要素ですが、これらの総体が『幸福度』の正体と理解すべきでしょう。
これらは物的満足とは少し違い、幸福度はこれらの総体的な満足度の集合体といえるのです。これらが合成され、自己実現などの満足が合成された結果、幸福度が上がるのだと思います。
ここにマズローの提案する欲求5段階説の上位を目指すことで『幸福感』が醸成されると考えられるのです。
愛情的欲求から認められたいとする承認欲求を求め、生活満足度、将来満足度が得られる自己実現欲求を満たすことで幸福度が上がるのです。
世帯収入が低いと、基本の衣食住から満足度は得にくくなります。つまり「幸福度」は低くなってしまいます。
しかし、収入があるゾーンを超えてくるとこれらの基本的な生活に支障がなくなります。それ以上の収入は「満足度」を引き上げられても「幸福度」は上がらないのです。
ここからはモノよりコトであり、経験・体験・他者にお金を使う行為等がより幸福に近づくのです。
幸福感の正体を知り、お金とうまく付き合って満足度と幸福を上げると、もっと幸せに近づける近道になるかもしれませんね。
☞まとめ
今日のポイント
・パンデミックの中でも幸福度は世界的に落ちなかった。
・「他者との連帯感や仲間意識、つながり、絆」が幸福度に関係する。
・購買・所有満足度は、幸福度の一部を成すものだが、継続しない特徴がある
・お金と幸福度は、相関関係はあるもののピークがあり、メカニズムを理解しておくと幸福に近づける
今回は、幸福度を高める事をキーワードにお金との関係を整理しました。資産形成は「幸福度」を高めるにはとても有効ですが、それだけでは成功確率が落ちるのです。
将来のビジョンに向けてのライフプランの達成が満足度・幸福度を高めますし、可視化できればより実行確率も高まります。
そんな時、ライフプランニングの作成をFPとしておススメしています。より科学的な方法で『幸福度UP』に近づきませんか? そのためにファイナンシャルプランナーは存在しているのです。
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40代でも間に合う5,000万円資産形成を提唱しておりメディア記事も多数寄稿
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東京浅草の下町FPとして、ブログ講座やメルマガが好評で読者・会員も多数。
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