独立系FP解説 メール相談 退職3年で退職金・預金が半減してしまったご夫婦【下町FPブログ】
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メール相談 退職3年で退職金・預金が半減してしまったご夫婦
お金にまつわる様々な有用な知識を独自の視点や切り口で独立系FP&非販売のFPが解説します。
僕は、FPの相談メニューに簡易無料メール相談があります。無料でワンポイントのやり取りをするものです。
どちらかと言えば、定期的に参加しているYahoo知恵袋の回答のようなものですが、考えられる限りの回答をしています。時には、パスワード付きのyoutubeで回答することもあります。
下町FPのコンサルメニューはここから
そんな中、68歳の相談者の方からの相談メールがありました。
(了解を頂き概略を載せています)
プロフィールは以下の通りです。
・65歳で会社を退職、預貯金は退職金含んでその時点では約3000万円。
・現在はパートでの仕事で月8万円程
・年金を受給中、相談者18万円、奥様5万円
・退職金で埼玉の持ち家ローン完済、現在車2台所有(駅まで遠い)
相談内容
・退職時に3000万円近くあったお金が妻の新車370万円・ローン返済と毎月の赤字で1500万円に・・
・コロナの影響で仕事が減ってきている(4割減ぐらい)
・体力的にもきつくなり、あと1年以内にはやめたい
・奥様が現役当時の生活レベルを維持しており、年金と収入ではやっていけない
・預金を3年間ですでに半分近く取り崩しているので、先行きが不安
・現在の生活費は、39万円前後であり、毎月8万円前後の赤字が続く。
・家計の節約の話をしたり、軽自動車への買い替えを提案しても取り合ってもらえない。
・単身赴任が長く、いろいろ現役時代は家内にも迷惑をかけた反動か、妻に浪費壁がある。
・血圧も高く、医療費や将来の健康にも大きな不安があり、お金がさらに心配
あなたのお金の心配を解消してマネーストレスフリーを支援する下町FPの横谷です。何となく、順風満帆の会社リタイアでスタートしたものの、思うように進まないこともあると思います。
年金不足2,000万円問題とか言われましたが、これを見ても一筋縄に解決しない問題も多いのが伺えます。
下町FPメルマガでは、FP視点からの簡単なワンポイントで情報を整理したお金のお得情報をお届け発信をしています。
FPブログ解説 年金不足2000万円問題だけでは解決しない
この相談を受けた時、預貯金1500万円でご夫婦の年金は23万円と相談者のパート8万円で収入は31万円と支出を知らなければ、何とか安心の老後が過ごせそうな資産内容です。
実は、問題となるのは家計収支でした。
今回は簡易相談の簡単なメールのやり取りだけですので、詳しいデータは入手していません。
※本来なら、より細かい事前ヒアリングと家計収支の分かる分析家計簿を作成します。あるいは、将来のライフイベントとして考えられる支出を予算化します。例えば住宅のリフォーム・自動車の買い替え・お子さんの結婚支援、介護費用や老人ホームの希望など様々を予算化します。
そして現在資産から毎月の収支の連続による年間の収支、定期収入や支出、臨時収入や支出、保険の満期やライフイベントを組み込んで、このままの生活での問題点や提案書を作成するのですが、今回はメール回答のみの対応です。
いずれにしても毎月8万円の支出超過、来年にはご主人もパートをやめると月16万円の家計赤字となります。
年間では、192万円の支出超過となりますから、これをざっとライフプランで考えてみると厳しい状況が見えてきます。
7.8年後、もちろん今後の支出は加齢によっては変わるでしょうが、現在68歳の相談者が76歳の頃には老後破産となってしまいます。今のうちに老後資金が毀損しない生活の構築が必要になるのは明らかです。
このケースでは厚生年金の夫と国民年金の奥様というモデルケースと同様な組み合わせなのですが、厚労省の言う平均的な年金21万円、ゆとりのある年金26万円とは異なるのはお分かりの通りです。
老後の生活設計と家計収支維持は、本当に十人十色であり、モデルケースでは割り切れません。つまり同じケースは稀なのです。
簡易メール相談の回答として2つの提案を実施
メールでの簡易回答
老後生活での大切なポイントは、収入-支出のバランスです。そこでメールでは4つの対応を提案回答しました。
ひとつ目は、やはり家計のダウサイジングです。今回は確認できませんが、月39万円の支出を分解してみる提案です。
生命保険・通信費・小遣い、食費、医療費など大きな部分から整理してみるという提案です。客観的に改善余地を探すことをいくつかのポイントをアドバイスしました。
ふたつ目の提案としては、これらの実態と不安を奥様と向き合って、話し合って課題を共有する事をお伝えしました。ご主人だけが心配されているようで、奥様は現役同様の生活レベルを維持されており、未来への目標や生活スタイルを共有できていないと考えたからです。
次に三つ目として、今後の支出として介護予算についてもメールを送りました。
実際の介護データでは、平均期間は59ヶ月、約5年間の介護生活が続きます。この介護レベルが4とか5にもなれば、介護施設や療養型医療施設に入る可能性も高いです。
特養老人ホーム等は、何年も待つし、高額療養費制度や介護保険では賄えない自己負担部分があるからです。やはり、500万円位の予算確保も必要な旨も説明もしました。
最後に、場合によっては自宅をリバースモゲージという手法で自宅をお金に替えて、住み続ける手段もあることお伝えしました。首都圏なので可能性はあります。
現在の状況は、奥様はなかなか分かってもらえなく、お子さんも奥様の味方になっているので進まないとのことでした。
最後に老後のFP作成のライフプラン設計が必要だと考え、未来の可視化ができるように作成をお勧めしました。
相談者様からのお礼のメールが届いた
この辺が簡易メール相談の限界ですが、何回かのやり取りで相談者の方は、具体的なアドバイスにはとても感謝されていました。
おそらくもっとも大切なことは、ご夫婦で現状の確認をすることであり、対応策はそのあと具体的に出てくるものだと思います。
FPは、相談者の希望の実現に向けて全力で分析をします。問題点を洗い出したり、より良いゴールとなるよう提案書も作成します。
今回は無料の簡易メール相談でしたから、それ以上の分析はしませんでしたが、このご夫婦の成功の秘訣は現状と目的の共有が出来るかどうかだと感じています。
もちろん有料相談でしたら、より精査した分析資料から将来が可視化できます。そこから話し合いがスタートできるかもしれません。
最後にご主人から「具体的なアドバイスよく分かりました。なかなか話し合いで解決できそうもありませんが、出来るところまでやってみて、ダメでしたら有料アドバイスと分析をお願いします。
本当にありがとうございましたとのお礼の言葉を頂けました。」
ファイナンシャルプランニングは、客観的に現状を分析したり、想定している未来の確認をすることが出来ます。
提案もしますが、それをどう実行するのかは相談者次第なのです。いろいろと面倒な分析や提案は僕達の仕事の領域です。そしてそれをベースに行動・実行されるのは相談者なのです。
このケースでしたら、まだ対応の選択肢は十分あります。どうにもならなくなってからの相談では、公的扶助への誘導しか(生活保護)ないこともあります。
メール相談者が、実行され『あの時、FPに相談してよかった』と言ってもらえるのが、FPの活動の原動力です。ライフプランニング申し込みと話し合い、これからうまく進めることを願っております。
☞今日のポイント
・退職金での住宅ローン返済を当てにしたライフプランは老後資金の大幅減少となり、一般にお勧めできない。
・退職後1年は100万円位社会保険負担もあり、この1年で退職後のダウンサイジングを試みよう。
・最も大事なのはパートナーと将来のお金について共有する事、齟齬があれば空回りしがち。
・最後にご夫婦の目標、目的が一致してこそ、ライフプラン作成が活きてきます。
★このFPブログ講座を書いてる人★
独立系非販売の数少ないファイナンシャルプランナーとして活動中
40代でも間に合う5,000万円資産形成を提唱しておりメディア記事も多数寄稿
経験ノウハウによる老後資金や資産形成へ向けた家計改善、iDeCoやNISA運用による資産形成、バランスの取れた米国国債債券投資を組み合わせてのアセットプラン作成、ライフプランからのアドバイスやリタイアメント向け相談やコンサルタントを行っている。
東京浅草の下町FPとして、ブログ講座やメルマガが好評で読者・会員も多数。
この講座をベースとして注目のFP監修本『最新版 お金の教科書』も発刊され、資産形成ノウハウを公開している。
保険や金融商品を販売しない顧客中心のコンサルで、様々なサービスを提供中。
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数あるファイナンシャルプランナー事務所から当事務所への訪問ありがとうございます。トータルサポート代表の横谷です。
当事務所は、保険も金融商品も販売しない、コンサルタントのみで開業している数少ない『独立系非販売』のFP事務所です。当所の特徴は、国家資格のFP資格とともに実際の資産運用を行っている現役の投資家でもある点です。
人生の3大資金といわれる『教育資金』『住宅資金』『老後資金』などの資産形成やFIREと言われる早期リタイアの為の資産形成などの運用対策や貯蓄対策を中心にして活動しています。
- 資産形成に挑戦したい方
- 資産運用を始めたい、やられている方
- FIREやリタイアメントを考えている方
そんな方には最適なファイナンシャルプランナーです。
自身もFIREと言われる経済的自立とともに資産運用を行っており、現在いろいろな運用先から年間400万円を超える配当・分配金などのインカム収入を得ています、その経験やノウハウもコンサルティングで活用しています。
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