新NISA戦略33 新NISAのよくある疑問に答えます⓵ 金融庁編 【独立系FPブログ講座】
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新NISAのよくある疑問に答えます⓵ 金融庁編
40代からでも金融資産5,000万円をつくることができます。少子高齢化社会でも安心できる老後資金確保や人生の目的資金づくりもステップを踏むことで実現できます。
2024年に少額投資非課税制度NISAが変わります。一般NISAとつみたてNISAが統合された『新統合NISA』に生まれ変わり、これは追い風です。
資産形成は早く始めたほうが圧倒的に有利ですから、時間を味方にする大きなチャンスだといえます。お金にまつわる様々な有用な知識を独自の視点や切り口で独立系FP&非販売のFPがシリーズで解説します。
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FPブログ解説 新統合のNISAはまったく新しい制度だけに疑問も多い
年間400万円のインカムゲインを受け取る独立系非販売のFPが、さまざまな運用の常識とされている投資方法やリスクを斬り、本当に安定的なFIRE=経済的自立を確立させるFPブログ講座シリーズが好評の後に終了しました。
新しいシリーズがスタート、テーマは、『40代からの金融資産形成5,000万円 新統合NISA』シリーズです。今回は第33回目のお届けです。
『経済的自由の実現!! 年間400万円超えインカムゲイン獲得』2021年運用を総括
あなたのお金の心配を解消してマネーストレスフリーを支援する下町FPの横谷です。このシリーズの第5章は、新統合NISAの制度の仕組みとよくある勘違いや疑問に対して解説しています。
今回からはいよいよ口座を開設する方、新たな仕組みでの運用を開始したいと考えている方の疑問に対して回答・解説をします。
繰り返しますがこの新制度は、今までのNISAの進化版でありながらも、まったく新しい制度としてスタートします。
しかし既に少額投資非課税制度自体は2024年からは新制度に変わることで、新たな買い付けはできないものの、既に運用を始めている方と全く新しく始める方のふたつの投資家のパターンに分かれています。
1.既にNISA口座を開設していて運用を行っている人
- つみたてNISAの最大20年間非課税運用を始めている
- 一般NISAでの5年間非課税運用を始めている
2.まったく初めてNISA制度を利用する人
- 特定口座などで株式や投資信託などの運用はしているがNISAは未開設
- 株式投資経験も含めてまったくの初心者
この類型1のタイプ方はNISA経験者ですので、現行制度はどうなるのかとか、今後の運用のポイントや投資戦略に対して具体的な関心が高いと思われます。
一方、類型2のタイプの方は、NISA自体は初めての方や投資経験の有無という立ち位置で違いがあり、新制度の内容に伴うさまざまな疑問がそれなりに多いと思います。
FP事務所トータルサポートでコンサルを受けての資産形成をされている方の多くは、iDeCoやNISAに対する基本知識はお持ちの方が多いと感じています。
しかし、それでもこの新たなNISA、新統合NISAに対しては誤解も散見されており、今回からは今までコンサルで相談者様に解説したことがある疑問やよくある勘違いについてこのシリーズの第5章で整理、共有事項として改めてお伝えします。今回は全3回の初回第1回目のお届け『金融庁Q&A編』とその解説をします。
下町FPブログ・メルマガ講座は、FP視点からの簡単なワンポイントで情報を整理し、お金のお得情報をお届け発信をしています。
非課税運用の定義や口座管理に伴う疑問点について
新統合NISA(当講座ではつみたてと一般NISAを統合した新NISAをこの名称で命名)には、さまざまな立ち位置の方が新たに口座運用を開始すると思われます。
疑問シリーズの1回目は、NISA制度自体を管理している金融庁のNISAサイトに『新しいNISA Q&A』が掲載されており、そのQ&Aの掲載と共にFPとしての解説を付け加えさせていただきました。
この制度の目玉のひとつになる最大1,800万円まで運用ができるとされている新しいNISA制度です。この1,800万円の定義についての疑問へのQ&Aです。
Q1:非課税保有限度額については、評価額ベースで管理されるのか?
- 非課税保有限度額については、買付け残高(簿価残高)で管理されます。
- このため、NISA口座内の商品を売却した場合には、当該商品の簿価分の非課税枠を再利用できることとなります。
この恒久非課税となる1,800万円のもっとも疑問と思われる部分の質問です。
この1,800万円の運用枠の計算ですが、簡単に言えば取得簿価方式の価格が管理価格となり、当時30万円の元本だった購入ポジションが3倍の90万円になっても、運用管理枠は30万円のままなのです。
これとは逆にこのポジションをもし売却したとすれば、90万円-30万円=60万円の売却益ですが、NISA口座枠での運用ですから、売却益の60万円には課税はされずに確定利益も60万円のままになります。
これを発展的に考えると、資産が拡大しているとすれば投資元本が1,800万円で評価益が1,000万円だとすれば、合計評価資産額が2,800万円でも1,800万円の枠内に収まっているということです。
次に今回の新NISAは全く新しい制度であり、つみたてNISAと一般NISAの機能のふたつが併用できる制度といえますが、つみ立てNISA口座と一般NISA成長投資部分の口座が別々の金融機関の運用ができると考えている方もいるようです。
Q2:つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で利用することはできるのか。
- つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で利用することはできません。一つの金融機関でご利用いただくこととなります。
- なお、年単位で金融機関を変更することは、可能です。
よくある疑問のひとつに、まったく新規の制度として新たな位置づけのNISAだと記されている関係で、新統合NISAの口座開設で既に令和5年までのNISA運用をしている場合でも、新たに口座開設の申請をする必要があるのかという疑問です。1年1金融機関は今まで通りです。ちなみに口座を開設しても取引がなければ、金融機関の移転は可能です。
Q3: 新制度になって手続が複雑になるのではないか?
- 現行のNISA(一般・つみたて)を利用している者については、新制度の開始時に新しいNISA口座(つみたて投資枠及び成長投資枠)が自動的に設定されるなど、新制度の手続が複雑とならないよう手当てしています。
現行のNISA口座を持っていれば、新たなNISA口座を申請する必要がなく、自動的に新NISA口座が現在の金融機関に開設されるという制度設計になっており、2024年1月の制度立ち上げ時点では、新しいNISA口座の申請は不要です。
逆に言えば、現行NISAの新たな買い付けは2023年12月末までで完全終了になります。またこの運用中の口座は、今年からのつみたてNISA分でしたら最大あと19年間の運用残年分が、一般NISAでは最大4年間の最間は自動的に継続される仕組みです。つまりダブル運用ができる投資家もいるということです。
よってこれらの旧NISAの運用ポジションは、新しいNISA口座に自動移管はないということと同時に、運用の残年までは運用益や売却益が非課税になります。
新NISAの投資限度額やNISA口座の変更について
新統合NISAは、下の表にあるように「ふたつの投資枠への併用」が出来る制度ですが、つみたて投資枠毎年120万円を毎年積み増して、最大投資枠となる1,800万円までつみたてNISA枠だけで運用できるのか?といった疑問がよくあります。
上の表は成長NISA枠(成長投資)の最大保有限度額については1,200万円とされているものの、つみたてNISA枠の最大保有限度額についての記載ががなく、疑問を持つ方が多いようです。つまり成長投資を使わなければ、1,800万円を積立枠だけで使えるということと、成長投資枠でも同一投資信託を購入するといった戦術も組めるカスタマイズが可能になる制度です。
Q4: つみたて投資枠だけで非課税保有限度額(1,800万円)を使いきることはできるのか。また、つみたて投資枠を使わず、成長投資枠だけを利用することはできるのか?
- つみたて投資枠だけで非課税保有限度額(1,800万円)を使いきることは、可能です。
- また、つみたて投資枠を使わず、成長投資枠だけを利用することも可能です。ただし、成長投資枠の非課税保有限度額は、1,200万円とされています。
次に新しいNISAの運用金融機関の変更についての疑問です。NISAの金融機関は、1月から12月の1年間1金融機関という大原則があり、タイミングも重要になります。
この制度自体の承認管理は実は申し込んだ金融機関ではなく、税務署が行っていて金融機関経由の申請の移管や新規口座開設の許諾管理は国税庁の領域です。
Q5:新しいNISA制度では非課税保有限度額を管理するとのことだが、金融機関を変更できるのか?
- 金融機関の変更は、可能です。
- 利用者それぞれの非課税保有限度額については、国税庁において一括管理を行うこととされています。
旧NISAポジションの売却の必要性について
金融庁Q&Aの最後として、新NISAかスタートの前に旧NISAで運用した制度は売却してクローズする必要があるのかといった質問です。この話は前段で解説した通り、まったく新しいNISAとして全ての投資家が一斉スタートになる制度設計です。
この上、旧NISAの新規買い付けはできませんが、各々満期到来までは運用が出来ます。ただし何もしないとそのまま特定口座に含み損益を再計算した取得価格で放り出されてしまいますから、利益が乗っている時にタイミングを見ての非課税売却のほうがよいかと思います。
そして今回の新しいNISAには運用期間が限定されていません。逆に旧NISA出口の決定は、購入よりも難しくなると感じています。運用が慣れている方でしたら利益が乗った旧NISAを売却をして、非課税で含み益も含めてまるまる頂いて、その資金で新たなNISAに乗り換えるといった方法も利用できるでしょう。
Q6:新しいNISA制度を始める際、既に現行のNISA制度(一般・つみたて)で保有している商品は、売却する必要があるのか?
- 既に現行のNISA制度(一般・つみたて)で保有している商品を売却する必要はありません。
- 購入時から一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間、そのまま非課税で保有可能で、売却も自由です。
- ただし、非課税期間終了後、新しいNISA制度に移管(ロールオーバー)することはできません。
金融庁ではこのような疑問に対してQ&Aという形で回答をしていました。参考になりましたでしょうか。次回からはコンサルなどでよく質問される疑問や勘違いについてパート2として解説していきます。
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★このFPブログ講座を書いてる人★
独立系非販売の数少ないファイナンシャルプランナーとして活動中
40代でも間に合う5,000万円資産形成を提唱しておりメディア記事も多数寄稿
経験ノウハウによる老後資金や資産形成へ向けた家計改善、iDeCoやNISA運用による資産形成、バランスの取れた米国国債債券投資を組み合わせてのアセットプラン作成、ライフプランからのアドバイスやリタイアメント向け相談やコンサルタントを行っている。
東京浅草の下町FPとして、ブログ講座やメルマガが好評で読者・会員も多数。
この講座をベースとして注目のFP監修本『最新版 お金の教科書』も発刊され、資産形成ノウハウを公開している。
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