独立系FP解説 ゼロ金利の先にあるものはいったい何なのか【下町FPブログBlog】
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ゼロ金利の先にあるものはいったい何なのか
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米国の連邦準備制度理事会(FRB)は2020年3月15日、臨時の連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利を1.00%引き下げ、年0.00~0.25%にすることを決めました。
これは08年のリーマンショック以来の実質ゼロ金利になります。
それほど米国は危険な状態なのかと、逆に投資家にリスクを喚起した格好になってしまいましたね。ショックは収まります。
今更の慌て売りや下落途中の追加買いも危険です。ここは、じっくり待って、反転し始めてからの順張りで待ちましょう。
世界で新型コロナウイルス感染拡大から世界的なコロナショックが起こっており、株価も乱高下しながら暴落しています。
米国の景気が悪化するリスクが高まったということで、ゼロ金利政策でテコ入れをしたという格好です。この緩和措置が市場の混乱でなく、後々の最終的には景気の下支えと反転の材料となることを祈るばかりです。
時事ドットコムより【米国の金利推移グラフ】
国債は一般には最もリスクが低い投資対象です。その国債の利回りがほぼゼロ%になったり、マイナスになったりすることは、安全確実に収益を上げる投資の方法がなくなることを意味します。
今、先進国では金利低下競争ともいえる状況です。金利誘導ともとれる措置が各国の中央銀行で行われています。
この金利の消えた世界で私たちはどうすればよいのでしょう。どんなに保守的な投資家でも、収益を得るためにはより高い資産に資金を振り向けざるをえなくなるのでしょうか。
金利と言う投資先がなくなる中で、このマイナス金利とどう向かい合えばいいのでしょうか。まずはマイナス金利下のメリット・デメリットを知り、この政策と付き合いましょう。
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FPブログ解説 世界の金利蒸発と日本のマイナス金利の功罪
下の表は、先進各国の国債利回りの過去推移を編集したものです。
既に日本やスイスは、為替高が逃避通貨として利用される面もあってか、マイナス金利に突入しました。 現在、このマイナス金利が、銀行の収益を圧迫しています。
欧州も0%金利となり米国だけが景気回復と好景気をベースに2019年まで謳歌していました。
現在、超低金利の代表はスイスで、なんとマイナス1.25%に達しています。高金利国とされたイギリスやオセアニアもも金利は急速に低下してきています。
お金を貸せば金利を稼げるのが金融の原則の筈ですが、その金利がまるで蒸発でもするように急速に消えつつあります。
ところで、日本のマイナス金利について誤解を持っている方によく出会います。金利がマイナスになるということは、銀行に預金していると、金利を取られて減っていく。タンス預金がいいといった誤解があります。
この日銀の政策は、銀行が日本銀行に預けている資金の一部をマイナス金利にするという、銀行間の金利の話なのです。
このマイナス金利の導入という金融緩和政策を受けて、長期金利の利回りが急速に低下しました。
長期金利の低下は、金融機関のローンや預金金利などを決める際に目安となっている為、私達の定期預金から利回りがなくなったり、住宅ローン金利が一段安になるなどの影響が出ています。
特に苦しいのは銀行です。貸出し利率は低下するは、運用しないお金を日銀に預けると-0.1%の金利が掛かると二重苦です。体力の無い銀行の合併も起こっています。
この金利の先に起こってくるもの、ここでマイナス金利下でのメリット・デメリットを整理しておきたいと思います。
マイナス金利下でのメリット
マイナス金利は、金利と言う時間を掛けて増やす方法を失くしてしまいました。しかしながら、金利が低くなることでメリットも出てきます。
マイナス金利のメリットについて5つ考えてみました。
1:ローンの金利が低下する
(高額ローンである住宅ローン、自動車ローンの適用金利も低下)
ローンの支払金額が減る事で、今まで所得が低くローンを借りれなかった人の審査難易度が実質緩和されます。よってローンを組みやすくなります。自動車業界や不動産業界にもプラスの恩恵があるといえます。
また、ローンり借り換えを行う事で金利の負担軽減ができます。今や0.4%レベル以下の変動金利の住宅ローンも出ています。1%以上の金利差なら借り換えは相当お得です。
2:円安になりやすい
マイナス金利は、円を持っていても金利がほとんど付きません。
ですから海外の高い金利を狙った投資が発生します。円安を導きやすいのです。
また円が安くなると、日本に来る外国人が増えます。そして円安下での消費も喚起されます。訪日外国人が増える事で、観光業、旅行業、航空業界、小売業界にインバウンドの追い風が期待できます。
また国内では、円から外国の高金利通貨に投資するなど、金利が狙えますので、外貨に両替し投資する投資家も増えます。
3:株価が上昇する
円安発生により原油や輸入品の価格が上がりやすくなります。そうなると物価が上昇し、連動して株価上昇も期待できます。
輸出企業の競争力が高まり、売り上げ、収益が増えます。それによって所得の上昇も期待できます。
4:インフレ期待で量的緩和が進む
日本銀行は額面以上の金額で国債の買い入れをしながら金利をコントロールする綱渡りとなります。しかし、これによって量的緩和が進みインフレへの誘導が期待できます。
5:定期金利が低く投資機会損失が起きにくい
貯金しても定期預金をしても利息らしいものが付きません。置いておいても、投資をしても短期間ならあまり変わりません。
逆に考えると、現金で持っていても投資の機会損失が起きにくいという逆説的なメリットも起こります。
マイナス金利下のデメリット
いままで頼りだった米国金利が急低下した事で、米国への債券投資も、魅力がなくなり為替リスクが大きく、暫く投資出来そうにもありません。
国内はマイナス金利導入に伴い、定期預金や普通預金の金利が引き下げられ、結果として生命保険各社の貯蓄性の高い終身保険の販売停止が余儀なくされています。
1:口座の金利が下がり利息が望めなくなる
個人が銀行に預金をしても利息がつかないので、お金を預ける意味がなくなります。貯蓄としては有効です。
銀行も日銀に預けても利息収益が得られません。逆にマイナスです。そうなると銀行の利息も下がってしまいます。
2:金融機関の利益が少なくなる
銀行が預金の運用で利益確保が出来なくなります。
すると設備投資や口座維持に掛かる経費を賄えなくなり、口座維持手数料やATM利用料、振込手数料の引き上げを実施する可能性が出てきます。利息は少なく手数料は増えます。
3:外貨投資やリスクの高い怪しい投資が増える
高い利回りを宣伝する外貨保険や、訳のわからない複雑な金融商品による高利回りをうたう怪しい商品が出やすくなります。
実際何に投資してるのか分からないような怪しい商品に引っかからないように。
☞ポイント
いいことが少ないゼロ金利ですが、メリットを活かすことが大切です。金利状況も時間と共に変化します。
今は債券投資は不向き、円高時にドルを仕入れるなどの準備の時です。
- ゼロ金利ですからローン繰上げ返済でなく、ローン借り換えを検討する。
- 投資先がなければ、繰り上げ返済も支払い金利削減の投資になると考える。
- 先進国の金利は暫く低迷、ゼロ金利の世界を覚悟する。
- 外貨投資は凍結して一時的な円高局面での外貨仕入れ程度で待つ事。
(FXでのポジション確保でスワップ金利受取も有効、最後は投資に使う)
投資や資産形成において、それぞれのキャッシュポジションや年齢により、許容リスクは皆違います。迷ったらFPに相談してみて下さい。
最適な方法を一緒に考えてみましょう。メール相談お待ちしています。
★このFPブログ講座を書いてる人★
独立系非販売の数少ないファイナンシャルプランナーとして活動中
40代でも間に合う5,000万円資産形成を提唱しておりメディア記事も多数寄稿
経験ノウハウによる老後資金や資産形成へ向けた家計改善、iDeCoやNISA運用による資産形成、バランスの取れた米国国債債券投資を組み合わせてのアセットプラン作成、ライフプランからのアドバイスやリタイアメント向け相談やコンサルタントを行っている。
東京浅草の下町FPとして、ブログ講座やメルマガが好評で読者・会員も多数。
この講座をベースとして注目のFP監修本『最新版 お金の教科書』も発刊され、資産形成ノウハウを公開している。
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