独立系FP解説 コロナ禍の米国債投資、質への逃避進行中【下町FPブログBlog】
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コロナ禍の米国債投資、質への逃避進行中
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あなたのお金の心配を解消してマネーストレスフリーを支援する下町FPの横谷です。
10年もの米国国債の利回りが1%を割り込んでいますね。0.7%台、こんな低利回り初めてみました。買われている、売れているという事です。
質への逃避が起こっています。マスクだけでなく、トイレットペーパーが一時、店頭から消えました。
ウィルスに対抗するためには、免疫力強化がいい、納豆がいい、とTVが言えば、スーパーから納豆が消える。
今や世の中は、右往左往しています。
マスクはいるのかいらないのか? TPOで使えば、今の何分の1の使用量で十分だとか。情報の氾濫です。
購買とか株価とかは、噂で買われて事実で売られるとも言われます。今後の事実を見極めましょう。
本日は、下町FPライトメルマガの情報・・FP視点で見た、ワンポイントお金のお得情報をタイムリーに発信しています。
FPブログ解説 トイレットペーパーはなぜ消えたのか
マスクがない、日々TVでやっています。ツイッターでもマスク発見!!のツイートや直販をやっているメーカーサイトでも毎日販売をしていますが、数分でなくなる状況です。
トイレットペーパーや手洗い洗剤、納豆は、在庫がある・・デマとは思いながら、いざスーパーに行ってみるとない。
自分もバカだなぁと思いながらも、心配で買いこむ。ないと困るという心理、みんなが買い込んでいるという現実。
今、ここにある、マスクの二の舞になりたくないといった思いが行動になっているのでしょう。
スーパーの棚は、コンビニの棚は、ドラッグストアーの棚がいつもあるものがガラガラ。店頭の300円のトイレットペーパーが、64円特売の納豆がスーパーの棚にないという事実が起こってしまいました。
昔、TVで「あの頃は的な・・TVで」トイレットペーパーを買い込み、見つけては買い込み、6畳の部屋が満杯になっていた写真を見ました。
この話を思い出しました。今となっては笑い話が、愚かな話がまた起こっています。
なんとなく、未知への漠然とした恐怖や不安が自衛と言う行動を生んでしまいます。過剰反応にもなり、本当に困っている方が救われません。
でも、皆さん思っています。情報に踊らされているかもしれないけど、情報を持つことは有利になると。
お金の世界も同じです。誤った知識や情報と区別できずに結果、損失を抱える。騙される人が後を絶ちません。本物の情報はなかなか落ちていないんですね。
そして今回も本当に必要な医療機関に購買行動の変化で、モノが届かないという困難が発生中です。
自衛する私たちの行動が、医療機関や介護施設の麻痺へのリスクをまねいているという事です。これは、時間が解決するのでしょうか。
米国株価への今後のインパクトとマネーの行方
米国株価は乱高下しながら落ちています。今日の配信では、最大11%あと下落する可能性があるという報道がありました。
米国株式は、2月12日の29,551ドルで、史上最高値を付けていました。
それがコロナ世界ショックで25,000ドル台に急降下、10%以上の下落になっている中での更なる下落の可能性の報道でした。
つまり、22,000ドルにもなりえる話です。日経平均でしたら19,000円台割れ(あと1000円ちょっと)と言う凄まじい想定株価ですね。
それでも、ここ数年間の上げが喪失中だけなのですが、1~2年以内に参入した方は気が気でない状況でしょう。
これが、3/5現在のここ10日間の米国ダウ株価の状況です。これからが本番かもしれません。
米国でも少しづつ感染者が増えています。トランプ大統領も選挙戦の中、この状況を無視できないでしょう。
驚いた米国FRBもすぐ手を打ちました。0.5%という緊急利下げで、景気下落を支えています。株価の乱高下とFRBの取った米国金利低下の影響がまた世界を回ります。
世界は何週も回って落ち着くのですが、この事態を受けて、お金は米国に向かいました。行き場を失ったマネーは米国国債に向かっています。
そして冒頭話した通り、米国国債の10年物利回りが0.7%台突入と見たこともない債券が買われる状況となっています。
質への逃避と日本買いが起こりにくい状況
米国のドルは、世界の基軸通貨として流通しています。実は円はドルで換算して計算され流通する、いわばサブ通貨です。
米国債は、世界に大きな有事があると、世界の資金が集中して買われます。逆に株式は有事があると売られて、資金が逃げ出します。
そのお金の逃避先が今、米国債に集中投資されています。下のチャートを見て下さい。
ここ10年間の米国債券(10年物)です。金融危機の時よりも買い上げられ、金利が大幅に低下しました。
これは、非常事態に近い状況です。米国国債に世界のマネーが集まることを「質への逃避」と呼びます。
10年に一度程度の非常事態でもあり、変化でもあります。前回の金融危機は2008年にありました。10年に一度程度発生する非常事態の状況です。英語ではFlight to qualityと言うそうです。
今回の異常なほどの資本逃避で、くしくもアメリカ国債の安全性がまた証明されました。一方米国債券投資を考えている方にはチャンスが遠のいたことになります。
一方この金利の変化は、円とドルの関係にも変化を本来もたらすはずです。
米国国債の金利(イールドカーブ)の低下は、円高を作り出すと言われます。金利が下がり、高い金利のドルを買わなくなる、ドルが弱くなったからです。
ただし、円高になれば、タイミングを見計らってドルを買い込む、待機資金ををドルで作る転換のチャンスにもなりそうです。
今回の米国株式の暴落と国債金利の低下にもかかわらず、円高はさほど進んでいません。100円割れとかになっていません。
今の世界の状況では90円台に風が変われば、いつ突っ込んでも不思議でないのに、意外とまだ頑張っています。
為替の専門家たちがいつも言う「リスクオフの円高」とか、「安全通貨である円に買いが集まる」というコメントは聞かれません。日本はもはや安全通貨ではなくなったのでしょうか。
コロナ対策がうまく日本が立ち回れると、安心感から円が買われて、相当の円高になる余地も残ります。また景気の悪化で企業の海外資産売却から円に戻す思惑も円高を誘発します。今後の動向が注目されます。
たしかに日本は世界最大の債券国家で、企業も世界に膨大な資産を持っています。何かあればそれを円に換金するのではという思惑も働き、円高を誘発しやすい国の特性です。
また、経済の安定感も落ちぶれたとはいえ、まだまだシステム的には安心できる領域です。
今後、日銀にも金利誘導の手立てもさほどない手詰まり感もある中で、政策的な手段が限られている日本の円、究極のババ抜きとして買われるのか、信頼感の喪失で今後ヨコヨコ為替相場になるのか注目しましょう。
今後の懸念と機会損失は何か
- 米国株などの外貨での投資を考えている方には、円高はドル仕入れの機会提供となる。
- 米国金利も1%程度しか利回りが望めないという事は、外貨建ての終身や養老保険も同様となる。
- 日本の金融機関の有力投資先の米国国債にも陰りが出ており、保険年金とも収益懸念が出る。
- 為替差益を資産運用に活用してドル仕入れし、じっと待つのも長期投資では有効。
下げは急下降、上げに転じるのは、ゆっくりですので、様子見からの行動開始でいいのではないでしょうか。
嵐が過ぎるのを見守りましょうか。
★このFPブログ講座を書いてる人★
独立系非販売の数少ないファイナンシャルプランナーとして活動中
40代でも間に合う5,000万円資産形成を提唱しておりメディア記事も多数寄稿
経験ノウハウによる老後資金や資産形成へ向けた家計改善、iDeCoやNISA運用による資産形成、バランスの取れた米国国債債券投資を組み合わせてのアセットプラン作成、ライフプランからのアドバイスやリタイアメント向け相談やコンサルタントを行っている。
東京浅草の下町FPとして、ブログ講座やメルマガが好評で読者・会員も多数。
この講座をベースとして注目のFP監修本『最新版 お金の教科書』も発刊され、資産形成ノウハウを公開している。
保険や金融商品を販売しない顧客中心のコンサルで、様々なサービスを提供中。
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