独立系FP解説 資産500万でも1,000万円でも大丈夫、老後資金の考え方【下町FPブログBlog】
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資産500万でも1,000万円でも大丈夫、老後資金の考え方
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あの年金不足2000万円問題は私達の年金受取だけでは生活できない事実を改めて突き付けました。
もちろん多くの方、特に自営やフリーランスで国民年金だけの掛け金の方は、分かっていた事実です。厚生年金の方でも老後破産される方もおり、不安は拡大する一方です。
このブログとメルマガでも40歳からの5000万円貯蓄の可能性やそれに向かう情報提供を中心に行っていますが、その前から年金不足問題はFPの間でも叫ばれていました。
一般の方でも、もちろん気づかれていた方も多い筈です。
人間って面白いもので、苦手な事、知りたくない事、考えたくない事は、自然と耳を塞ぐ能力があります。
例えば定年退職、会社に入った以上は誰にでも平等にその日は訪れますが、ほとんど普段は忘れて自覚してません。
もっと身近な例では、夏休みの宿題、期日はやはり決まっています。だけどその時が近づき、慌てて手を付けます。
老後資金も同じです。自覚するには、自身で計算しての自衛開始しかありません。いつ自覚するかで、スタートラインが違ってきますね。
でも年金不足問題も、マスコミもこの問題を多く取り上げましたが、今や既成事実としての取り扱いとなり、メディアでの登場機会は激減してきました。
マスコミや野党も次から次のテーマに移行しており、露出はなくなりつつあります。しかしながら、実態は何も変わっていません。
この話の根幹はどこにあるのでしょうか?
年金での過不足を見ていますと、貯蓄金額がいくらと言った話が中心になります。でもよく考えて下さい。
老後生活を豊かに過ごすためには、老後資金よりももっと重要なことがあります。
それは「老後の収支のバランス」です。老後資金の金額よりも、収支のバランスが取れているかどうかで、豊かな老後生活が過ごせるかどうかが決まるのです。
もちろん、老後資金というのは多い方がいいに決まっていますが、収支のバランスが悪ければ、いくら老後資金があったとしても老後破綻になりかねないのです。
2000万円問題が話題になって以来、老後資金がいくら必要なのかという記事は多いのですが、収支のバランスという最も大事な事に言及している記事はあまりありません。
今回は、老後資金でもっとも重要な収支のバランスについて考えていきましょう。
FPブログ解説 家計収支が赤字の原因
2000万円問題の発端は、金融庁の金融審査会がまとめた報告書でした。
収入を年金のみに頼る無職世帯のモデルケースでは、20~30年間の老後を生きるために約2000万円の老後資金が必要になるとしていました。
総務省の調査によると、夫が65歳以上、妻が60歳以上の無職世帯における平均的な実収入は月額約21万円です。
しかしながら生活に掛かっていた消費支出は26万4,000円ほどになっていると言われています。つまり、毎月約5万円の赤字が出ることになります。
この赤字がリタイア後の30年間続くる試算すると、5万円×12カ月×30年=1,800万円の不足赤字が出るとの計算でした。
この赤字分は自身の貯蓄から補填する等の必要があるというのが報告書に書かれた内容でした。100歳迄てしたら2000万円は必要なモデル家庭ですね。
退職後のリタイア生活では、現役に比べて家計収入が大幅に減ってしまうのが通常です。特に現役生活の中で所得の高かった方は、なかなか生活のダウンサイジングでできません。
したがって、現役時代と同じような水準で生活を続けようとすると収入の格差が大きく、より大きな赤字になりがちです。
現役時代の年収が高い家庭ほど生活レベルを急に下げるのが難しいため、老後に必要になる資金が増えるという事です。
この老後の生活費は金融庁、総務省、厚労省、あるいは民間の金融機関や生命保険会社など、試算した機関によっても結果が異なっており、いったい老後資金がいくら必要になるかはまちまちです。
ただし、生活レベルや消費動向には個人差もあり、消費支出がその後も続くとは限らないので個人差が大きい領域です。
また、肝心の年金モデルも片働き世帯から共働きへ、おひとり様世帯の増加とこの条件に合てはまらない条件も出ており、一律では語れないのが現在です。
老後資金は500万円でも1000万円でもOK
先程の金融庁の報告書では、受取年金と生活支出の差を月5万円と想定した試算でした。でも、もし生活支出が年金収入と収支バランスが均一ならばどうでしょう。
均衡が取れている場合は、収入と支出が同じですから毎月の赤字額は0円となります。
つまり、老後資金は理論上ゼロで年金で生活できるという事です。
この状態は、老後資金のために貯蓄資産を作る必要がない、頼ることない生活ができるという事です。
もちろん大きな支出が老後生活資金以外にも掛かります。その分は必要貯蓄として計算しておかなくてはいけないと思います。
どんな大きなお金が老後掛かるでしょうか?
たとえば、子供の結婚支援、介護状態になった時、葬儀やお墓の費用でしょうか。個人によっては別途必要となる費用もあるでしょう。
介護費用は、要介護度や介護期間などで必要な金額が違ってきます。平均的には、約800万円必要になるというデータがあります。
医療費もそうです。長期入院ともなれば医療費は、自己負担は所得に応じてですが、おおむね約3万から6万円となります。
しかしながら食事代には所得による補助があるものの、病衣やオムツ代などはなく療養施設や病院によっては10万円近く掛かります。
特養老人施設は何百名、千人単位の行列待ちの状態です。在宅介護か民間介護施設が想定されます。
できれば、介護資金として月10万の赤字×12ヶ月=120万円、最低3年として360万円。葬儀も含めて500万円位は用意しておかないと家族が大変でしょう。
先ほどの毎月収支が均衡できた家庭では+500万円の余裕資金が最低準備できれば何とかなるかもしれません。
もちろんこれは最低ですし生活レベルがプラマイゼロで均衡が取れている方の話です。
この形になるのには生活レベルを収入と合わせる必要があるのが見えてきました。どうすればそのような家計にする事が出来るでしょうか。
家計見直しによる年金との両立は可能か
老後生活の収支のバランスを取るのには、どうすればいいのでしょうか?方法は三通りのルートしかありません。
支出を減らすルート、収入を増やすルート、双方のよるルートの3つです。ではどうしたらよいか考えてみましょう。
まずは支出を減らす方法ですが、もちろん支出の細部を見直すのも大事ですが、王道として大きな支出でしかも固定費から見直すことが重要です。
毎月確実に出てゆく固定費の中でも支出の大きなところから見直すことです。
もし大きな支出が削減できれば、節約効率がよい節約とすることができます。固定費の代表は生命保険です。
昔の家族形態をベースに保険が継続されている方も多いと思います。子どもが小さい時は、万一の事を考え大きな死亡保障を付ける事が多いのです。
しかし、子供が独立した後は、そこまでの大きな保障は不要となります。見直しされていない方には絶好の機会となります。
保障額を減らす、別の保険にする、やめる事で、大きな保険料の節約ができるでしょう。
固定費ではありませんが、通信費(携帯代金)も大きな月額支出です。固定費的に出ていきます。
僕はこのスマホ代金についてよく言うのですが、電話代は通信費ですが、データ使用は娯楽費ともいえます。通信スピードの高い無制限の大手キャリアを使っていたら節約のチャンスです。
これは格安SIMに変更することなどで節約ができます。あるいは端末をセットプランでなく自分で購入するほうが維持費は安くなります。
I-Phoneである必要はありません。アンドロイドなら3万円で優秀なスマホが買えるはずです。
通信もLine phoneやスマートトークというアプリならインターネット電話で050番号が貰えて、しかも維持費用は月額ゼロです。いろいろ工夫の余地があります。
住宅ローンが残っていると年金生活の大きな負担になります。リタイア前までに返済を済ませておく必要があります。
繰り上げ返済を計画化しましょう。最悪でも退職金で完済が必要です。
現役時代に高い所得だった方ほど、老後破綻しやすい傾向があるそうです。老後生活に入ってからの収支バランスが極端に悪くなるからです。
つまり、年金は所得の大小にあまり大きく左右されない受取なのです。高所得者は、収支差が大きくなります。
たとえば、現役時代の年収が1000万円(平均月額にすると約83万円)を超えていた人が、年金生活になったとします。
年金が20万円、毎月の支出が40万円だとしたら、毎月20万円の赤字が発生します。
介護や医療を考慮しなくて試算しても、90歳まで生存として必要な金額は、20万円×12カ月×30年=7200万円です。
もちろんいつまでも浪費家計が続くとは思いませんが、それなりの余裕資金が必要です。
生活レベルを変えるというのは簡単には出来ないのです。贅沢な暮らしから生活レベルを急に落とすのは難しいでしょう。
ですから、徐々に老後の生活をダウンサイジングしていかないと老後破綻になってしまいます。
こんな方は早めにライフプランを立てる事で所得が有効に働きますから、キャッシャフロー表が有効です。プランの修正をしましょう。
安心ください!対応方法はいくつかある
支出を減らす方法以外では、収入を増やす方法があります。一番の有効な手段は労働の継続です。つまり現役時間をより長期間働くことです。
実はどんな投資よりも長い期間働く事が一番効果的なのです。
少しでも収入があれば、それだけ資金寿命が延びますし、厚生年金に加入しながら働いていると、年金額が増えていきます。
これがとても大きいのです。年金受取額が少しでも増えれば、収支のバランスが良くなります。
またその間、年金の受け取りを繰り下げることで、受給額を更に上げることができます。年金の受け取りを1カ月繰り下げると、受給額は0.7%アップ。1年間で8.4%上がります。
70歳まで繰り下げることができれば42%の増額になります。こんないい金融商品は他にはありません。更に収支の収がよくなります。
これを利用することで、老後生活の収支はかなり改善するはずです。
人生の3大資金のひとつ、老後資金については粗々ですが、お分かりいただけたと思います。働く方の生涯賃金は2億円以上です。生涯賃金をそこに充てつつ、老後資金を備えていく必要があります。
本当に必要な老後資金を知る方法
☞ポイント
年金定期便などから自身の年金を、家計分析から老後資金計画を仮決めして収支を計算します。不足があったらそれが貯蓄目標です。
それでは最後に電卓で作るライフプランに近いものであなたの老後資金を算出する方法を考えてみましょう。
自分の老後イメージからの収支バランス確認と長期での資産形成を
しかしながら、老後資金が不足することも予想されているため、長期の資産形成に目を向ける必要があるでしょう。
30年間で2000万円の老後資金を用意するためには、2000万円÷30年÷12カ月=約5万5,000円の貯金を毎月続けなくてはなりません。40年だと、毎月約4万2000円です。
貯金だけで老後資金を作るのは簡単ではないため、投資を含めた長期的な資産形成もひとつの手段です。
自分で情報を集めるのが難しい場合は、資産運用のプロに相談するのもおすすめの方法です。
資産運用で不足する年金に備えよう
2,000万円問題をきっかけに、貯蓄や投資に関心を持ち始めた人も多いのではないでしょうか。
単なる試算とはいえ、老後資金が2000万円も不足する可能性があることは無視できない問題です。貯蓄や長期投資はできるだけ早く始めたほうが効果的です。
不安のない老後に備えるためにも、資産運用について検討してみてはいかがでしょうか。
★このFPブログ講座を書いてる人★
独立系非販売の数少ないファイナンシャルプランナーとして活動中
40代でも間に合う5,000万円資産形成を提唱しておりメディア記事も多数寄稿
経験ノウハウによる老後資金や資産形成へ向けた家計改善、iDeCoやNISA運用による資産形成、バランスの取れた米国国債債券投資を組み合わせてのアセットプラン作成、ライフプランからのアドバイスやリタイアメント向け相談やコンサルタントを行っている。
東京浅草の下町FPとして、ブログ講座やメルマガが好評で読者・会員も多数。
この講座をベースとして注目のFP監修本『最新版 お金の教科書』も発刊され、資産形成ノウハウを公開している。
保険や金融商品を販売しない顧客中心のコンサルで、様々なサービスを提供中。
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当事務所は、保険も金融商品も販売しない、コンサルタントのみで開業している数少ない『独立系非販売』のFP事務所です。当所の特徴は、国家資格のFP資格とともに実際の資産運用を行っている現役の投資家でもある点です。
人生の3大資金といわれる『教育資金』『住宅資金』『老後資金』などの資産形成やFIREと言われる早期リタイアの為の資産形成などの運用対策や貯蓄対策を中心にして活動しています。
- 資産形成に挑戦したい方
- 資産運用を始めたい、やられている方
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